出版社内容情報
近代経済を生み出した覇権国家オランダ。だがその陰では、貧困層の増加とともに社会保障の整備が大きな課題となった。孤児や移民の包摂・排除から「寛大すぎる救貧」批判まで、福祉と財政をめぐる現代的諸問題にいち早く直面した都市社会の実像をつぶさに探究する。
【目次】
序 章
第Ⅰ部 身分別救貧の虚と実
はじめに
第1章 ロッテルダム孤児救貧制度の確立
第2章 収容サービスからみた孤児救貧システムの特徴
-- 食事・収容費・脱走率
第3章 孤児と東インド
第4章 アムステルダムの孤児救貧
-- 分業体制の発展とその背景
1 孤児救済の施設間分業
2 アムステルダムの移民政策と孤児救貧
第5章 オランダの救貧保証書制度
-- ロッテルダムを中心に
1 救貧保証書制度の再評価
2 制度の安定性をめぐる検証
第Ⅱ部 イメージの力
はじめに
第6章 救貧批判と規則
1 「寛大すぎる救貧」
2 18世紀ロッテルダムの救貧規則
第7章 公的院外救済の実態
第8章 救貧イメージと改革
終 章
あとがき
付録2
付録1
註
史料・参考文献
図表一覧
索 引