出版社内容情報
宇宙の原理をめぐるハイブリッドな「知」の生成を描く――。科学革命までの学問を一千年以上にわたり支配したアリストテレス主義。アラビア哲学を介して発展させられた、天と大地をめぐる教説とはいかなるものであり、キリスト教世界の中でどのように受け止められたのか。言語と文明圏をまたいだ自然哲学の展開を、つぶさに解明した気鋭の力作。
内容説明
宇宙の原理をめぐるハイブリッドな「知」の生成。科学革命までの学問を一千年以上にわたり支配したアリストテレス主義。アラビア哲学を介して発展させられた、天と大地をめぐる教説とはいかなるものであり、キリスト教世界の中でどのように受け止められたのか。言語と文明圏をまたいだ自然哲学の展開を、つぶさに解明した気鋭の力作。
目次
序章 揺籃期の自然哲学
第1章 神的な天体―アリストテレス主義の“宇宙神学”
第2章 天体の魂―「天は生きている」という思想
第3章 自然に秩序を与えるのは何ものか―アリストテレス主義の“摂理論”
第4章 元素の生成変化―中世物質理論の基礎
第5章 熱と自然発生―『気象論』第四巻における生成の一般理論
第6章 形成力―天界と自然界とをつなぐもの
第7章 アリストテレスの擁護者たち―残存するスコラ自然哲学
終章
著者等紹介
アダム・タカハシ[アダムタカハシ]
1979年宮城県に生まれる。現在、東洋大学文学部哲学科助教、博士(哲学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
バケツ
4
曖昧さを含むアリストテレス著作がどう解釈・註釈され、そしてそれらがキリスト教社会にどう受容・反駁されたか。それらを「天界」という1つのテーマに絞って繊細に検証している。ツイッターTL上で随分話題になっており読みたいと思い続けてきたが、なかなか手に入らず時間に追われ走り読みになってしまった。専門書カテゴリにしては読みやすく感じた。内容も期待に適うものだったので、ぜひ購入してゆっくり読み返したいと思う。2023/04/29
てっき
1
以前どこかで伺って興味を持った本。中身は中世欧州における(イスラム圏を経由した)アリストテレスの思想とそれが神学とどのように思想的に対立したのか、を(文字通りの)天球を焦点として論じたもの。自身に哲学的素養が皆無であり、先日形而上学を読んだだけだが、註解を通じた考察なので、理解は比較的にできたのではないかと思っている。とはいうものの、論理構成や当時の認識を考えながら読まねばならないので、非常に疲れたのは正直な感想。天球の位置づけだけで基督教の思想との対立を描いたのは非常に興味深かった。2023/01/16
とおりもん
0
哲学と神学とのせめぎ合い。アリストテレス主義の何を許容しどのように解釈するか。読むのに時間がかかったがヨーロッパの思想史を考えるうえで意味があり、かつとても親切な本だと思った。2024/11/13
-
- 和書
- DXを探せ!