内容説明
「量」では測れないものを科学的に考えるために。質的研究に関するさまざまな疑問・疑念に、ツボを押さえた説明や独自のモデルで答え、量的研究者も納得。認識論を起点に、研究を進めるうえで大切な考え方や質的データ分析手法SCATの使い方を解説する。人文・社会科学はもちろん医療等に携わる人にも最適の入門書。
目次
第1部 質的研究のデザイン、方法、パラダイム(質的研究とは何か―いくつかの基本概念とその検討;リサーチ・クエスチョンの設定;研究デザイン;データ採取;データ分析;理論化とモデル化;質的研究の結果の表象;質的研究の研究倫理;質的研究に関するその他の問題と課題)
第2部 SCATによる質的データ分析(SCATとは何か―その機能と意義;SCATによる分析;SCATでの分析の参考のために―SCATのTips&Pitfalls;SCATのFAQ)
著者等紹介
大谷尚[オオタニタカシ]
1953年東京に生まれる。1976年東京教育大学教育学部卒業。1979年筑波大学大学院博士課程教育学研究科中退。長崎大学講師、トロント大学オンタリオ教育研究所客員研究員などを経て、名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授、名古屋大学アジア共創教育研究機構教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いとう
1
※再読 質的研究の考え方とはいいつつ、自身の量的研究に対するコンプレックスを見直すことができる本なのでしょうね 質的研究は一般性に当てはまらない、具体性・個別性を追及する研究と述べているけど、分析の際には理論的・概念的枠組みが必要ともある。 理論的・概念的枠組みを用いると、分析結果が一般的になってしまいそうな気がする。 p343 コードの出現頻度2022/05/09
いとう
1
他の質的研究本と一線を画す内容。 題名に「質的研究の考え方」とあるように、質的研究の方法紹介や量的研究との長短比較ではなく、質的研究の考え方そのものを詳細に説明している。 著者考案のSCATを紹介しているが、その方法を解説しつつも、質的研究に求められる考え方や分析の視点をSCATを通じて伝えている。 SCATの説明というよりも、質的研究はどのようなものかを伝えるのに、SCATが適しているのだろう。 かなりよい。とてもよい。疑問が晴れた。2021/10/24
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