内容説明
自然哲学から自然科学へ、ニュートン以後の静かな革命。十八世紀のヨーロッパ大陸で、力学は生まれ直した。惑星の運動から球の衝突まで、汎用性をもつ新たな知が立ち上がる過程を丹念に追跡し、オイラーの果たした画期的役割を、ライプニッツやベルヌーイ、ダランベールやラグランジュらとの関係の中で浮彫りにする。
目次
序論 力の起源をたずねて
十八世紀力学史の歴史叙述
第1部 活力論争と「運動物体の力」の盛衰(十七世紀の自然哲学における「運動物体の力」;活力論争の始まり;活力論争の解消 ほか)
第2部 オイラーの「力学」構想(「動力学」の解析化;活力論争における衝突理論の諸相と革新;オイラーにおける「力学」の確立 ほか)
第3部 『解析力学』の起源(再定義される「動力学」と、その体系化;作用・効果・労力―最小原理による力学;ラグランジュの力学構想の展開 ほか)
結論 自然哲学から「力学」へ
著者等紹介
有賀暢迪[アリガノブミチ]
1982年岐阜県に生まれる。2005年京都大学総合人間学部卒業。2010年京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。2013年国立科学博物館理工学研究部研究員。2017年京都大学博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
2
ふむ2022/10/11
こたろう
1
物理学で使用している力学の歴史について書かれた本。力学という言葉すら別の言葉になる可能性があった!?ニュートンが力学のすべてを構築したわけではなく、アノ○○○○が立役者だった!という内容で、とても楽しめる。また、本書ではニュートンよりもライプニッツに焦点を合ってており、力学に関してはライプニッツからラグランジュというのが正しいようだ。ラグランジュが解析力学をまとめるにあたって影響を受けた考え・人物。また、その当時の対立など力学を使用する人なら一度は目を通しておきたい内容となっている(著者の博士論文の再編)2018/12/28