内容説明
戦争と大不況をくぐり、自然・地域・人間性の回復が希求されるなか、「相互受胎」していく三つの国家。カリスマ的指導者、プロパガンダ、シンボル建築などを手がかりに、「ファシズム」対「民主主義」、「全体主義」対「自由主義」の構図をこえ、今日に至るレジームの深層に迫る。
目次
序章 全体主義と自由主義
第1章 ファシズム、ナチズム、ニューディール
第2章 カリスマ的指導者―ローズヴェルトとヒトラー
第3章 プロパガンダ
第4章 新しい空間―国民、地域、入植
第5章 シンボル建築―アグロ・ポンティーノ、テネシー川流域開発、アウトバーン
終章 一九四四年―「行進していくように」
著者等紹介
シヴェルブシュ,W.[シヴェルブシュ,W.] [Schivelbusch,Wolfgang]
1941年、ベルリン生まれ。フランクフルト大学とベルリン大学で文学・哲学・社会学を修める。1970年代からニューヨークに在住し、多彩な著作活動を展開。2003年にハインリヒ・マン賞、2013年にレッシング賞を授賞
小野清美[オノキヨミ]
1948年生まれ。名古屋大学大学院法学研究科博士課程中途退学、名古屋大学法学部助手などを経て、大阪大学名誉教授、博士(法学)
原田一美[ハラダカズミ]
1951年生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学、元大阪産業大学教授、博士(文化史学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
masabi
11
【概要】ファシズム・ナチズム・ニューディールの体制間での類似点を解説し、自由主義が全体主義と陸続きであると警鐘を鳴らす。【感想】原著の出版時にはテロとの戦いという大義名分から抑圧体制になる危惧があった。現在では3つの体制が全体主義体制と自由主義体制という理解になっているが、30年代にはニューディールもソフトなファシズム体制と見られていた。特徴づけるものに、カリスマ的指導者・プロパガンダ・地域主義・シンボル建築が挙げられる。大恐慌とソ連の躍進により自由主義的資本主義から国家統制の資本主義が希求されていた。2024/07/24
陽香
2
201504302017/06/22