内容説明
西洋中世において爆発的に拡大したイメージの世界は、何を顕わにし、それを観る者にいかなる経験や認識をもたらしたのか。黙示録写本、ステンドグラス、聖遺物など、イメージが切り拓いた多様な視覚宇宙を探究し、「見えるようになること」を根底から問い直したゴシック美術論。
目次
第1部 隠蔽から開示へのレトリック(レヴェラティオをめぐるレヴェラティオ―視覚的タイポロジーの試み;「天に開かれた門」―黙示録写本の挿絵と読者/観者の内的ヴィジョン ほか)
第2部 記憶と想起のトポグラフィー(イェルサレム・コンスタンティノポリス・パリ―サント=シャペルとその装飾;過去の物質的引用―サン=ドニ大修道院長シュジェールのスポリアを中心に ほか)
第3部 「鏡」としてのユダヤ(反転した自己表象―「ユダヤの帽子」の解釈をめぐって;「恐るべき不信仰」とイメージの聖性―聖ニコラウス像を罰するユダヤ教徒)
第4部 聖顔:不在と現前のディアレクティック(痕跡としてのイメージ―奇跡的イコンと刻引のメタファー;「顔と顔とを合わせて」―一三世紀イギリス写本における聖顔と祈念 ほか)
著者等紹介
木俣元一[キマタモトカズ]
1957年浜松市に生まれる。1980年名古屋大学文学部卒業。1982年名古屋大学大学院文学研究科博士前期課程(哲学専攻美学美術史専門)修了。1987年パリ第1大学博士課程(中世考古学専攻)にて博士号取得、名古屋大学文学部助手。1991年名古屋大学文学部助教授などを経て、名古屋大学大学院文学研究科教授、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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