内容説明
貧困や失業が存在する現実の経済を扱える「実践経済学」たるべく、資源配分や分配、景気変動を論じ、福利の視点から政策の評価・検討に及ぶ。近年再評価いちじるしいピグー厚生経済学体系の初の邦訳。
目次
実践との関わりにおける経済学
富と厚生(厚生と国民分配分;国民分配分の大きさ;国民分配分の分配;国民分配分の変動)
解題 厚生経済学とは何であるのか
著者等紹介
ピグー,アーサー・セシル[ピグー,アーサーセシル][Pigou,Arthur Cecil]
1877‐1959。経済学者。ケンブリッジ大学教授の経歴もある
八木紀一郎[ヤギキイチロウ]
1947年生まれ。名古屋大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。現在、摂南大学経済学部教授、京都大学名誉教授、経済学博士
本郷亮[ホンゴウリョウ]
1972年生まれ。関西学院大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。現在、関西学院大学経済学部准教授、博士(経済学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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メルセ・ひすい
2
貴重本 実践との関わりにおける経済学 ☆ケンブリッジ大学教授就任講演 1908.10.30 ☆善とは善であり、善は厚生である。分析によっては定義できない。ピグー 訳者の言 ピグーの英文を直訳しても「日本語」にならない!のとおり日本語が難解。原書を読むべし。 貧困や失業が存在する現実の経済を扱える「実践経済学」たるべく、資源配分や分配、景気変動を論じ、福利の視点から政策の評価・検討に及ぶ。近年再評価いちじるしいピグー厚生経済学体系の初の邦訳。2012/12/09
壱萬参仟縁
2
「経済学者が同時に倫理学者でもあることは焦眉の急の課題である」(10ページ)。不況期にリストラすることは好況期に人不足となる(160ページ)のも気になる。「貧者に利益を与えると同時に極貧者の所得を減少させる方策によってもたらされる移転が、経済的厚生を必ず増加させると考えることはできない」(322ページ)という指摘も複雑な心境だ。脚註「長期の観点から見た貧者の利益は(略)すべての労働者の利益と同一視されるべき」(325ページ)は納得。厚生経済学は後にアマルティア・センの『福祉の経済学』と合わせて検討したい。2012/09/03
KAZOO
1
ピグウの本は昔、所得と厚生経済学を読んだことがあるのですが、所得は比較的小冊子で厚生経済学については非常に難儀をした覚えがあります。ふろく以外にはほとんど図や数式の説明もなく、文章だけで説明をしています。この本も同じで本体を読み通すのにはかなり苦労を強いられました。最後のほうで訳者が解題を書いておられるのでやっとポイントがどこにあるのかがわかった次第です。2013/02/03
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