内容説明
科学官僚の帝国で、いかにして近代外交の担い手は生まれたのか。清末の公使館や領事館の開設はゴールではない。在外公館を孵化器に職業外交官が形成されていく過程を、個々の外交交渉のみならず、人事の実態を含めて把握することで、近代中国外交の展開と特質を浮き彫りにする。
目次
第1部 清朝在外公館の設立(清朝による常駐使節の派遣;清朝による領事館の設立とその特徴)
第2部 一八八〇年代以降における中国外交の変化(在外華人保護の動きとその限界―駐米公使・張蔭桓の移民問題に関する対米交渉を例として;清朝外交のイメージの形成―清英「ビルマ・チベット協定」(一八八六年)を例として
「遠略に勤めざるの誤りを論ず」―薛福成による新しい清朝外交の追求)
第3部 「外交官」の誕生とその特徴(在外公館における外交人材の養成―日清戦争までを中心に;外交制度改革と在外公館―日露戦争後の人事制度改革を中心として;「外交官」たちの国際認識)
領事館の増設とその意味―陸徴祥によるオランダとの領事館設立交渉を中心に
著者等紹介
箱田恵子[ハコダケイコ]
1975年生。2004年京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。2006年京都大学博士号(文学)取得。現在、宮城教育大学教育学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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