内容説明
香港は本当に中国に飲み込まれたのか?返還以前の多くの悲観的予測を裏切り、安定した中国・香港関係が生み出されたメカニズムを、一国二制度下の政治・経済・社会情勢の推移から明快に分析、「高度な自治」と中港融合の実像を鋭く描き出す。中国政治と香港の行方を考える一冊。
目次
序章 「小さな冷戦」としての中港関係と「一国二制度」
第1章 「港人治港」の実態―香港政治エリートに対する中央政府の統制力
第2章 民主化問題―「デモクラシー」から「中国の特色ある民主」へ
第3章 「防壁」の中の自由―香港メディアに見る「擬似国境」の政治性
第4章 「繁栄と安定」―中港関係の政治経済学
第5章 「愛国者論争」―香港人意識と愛国心
終章 「一国二制度」の中港関係
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
koji
13
香港が再び揺れています。只昨今の日本のマスコミの論調だけ追いかけては表層的な理解に止まると思い、2冊選び読みました。残念なのは旅行ガイドを除き香港を扱った書物の少なさと古さ。本書は2009年刊行、もう一冊は2015年。2冊とも良書ですが、もう少しほしいですね。さて本書は、一国二制度下の中国・香港関係を対立ではなく融合の視点で捉え直すことで中国政治の民主化参照モデルとなりうるとするものです。オバマ登場の2009年という時代の中での問題提起とみました。只中国は、その後真逆の方向に動いています。歴史の難しさです2019/09/09
mizunasubi
1
比較的近年の問題を実証する難しさを痛感。きれいにまとまっているが。