出版社内容情報
作品への途上で言葉に生じた数々の<事件>――漱石から賢治にいたる日本の近代文学やフロー
ベールをはじめとする西洋の文学・芸術、さらには言語学者ソシュールの草稿を読み解くことを
通して、<書くこと>とは何かを問い、その深淵に明滅する豊饒な複数性を明るみに出した労
作。<第14回宮沢賢治賞奨励賞受賞>
目次:
第Ⅰ部 生成論とは何か
第1章 闇のなかの祝祭
第2章 草稿の類型
第3章 生成論の方法
第4章 生成論の歴史
第Ⅱ部 生成論的読解の試み
第1章 『こゝろ』論(1)
第2章 『こゝろ』論(2)
第3章 『こゝろ』論(3)
第4章 「舞姫」論
第5章 「鼻」論
第6章 『銀河鉄道の夜』論
第7章 『ボヴァリー夫人』論
第8章 『感情教育』論
第9章 ソシュールと『一般言語学講義』の間
第Ⅲ部 生成論の地平
第1章 〈未完〉のプロブレマチック
第2章 エクリチュールの生成の論理
内容説明
漱石から賢治、フローベールからソシュールまで、草稿を読み解くことを通して「書くこと」とは何かを問い、その深淵に明滅する豊饒な複数性を明るみに出した労作。
目次
第1部 生成論とは何か(闇のなかの祝祭―なぜ草稿を読むのか;草稿の類型;生成論の方法;生成論の歴史)
第2部 生成論的読解の試み(『こゝろ』論(沈黙するK;「自由な死」をめぐって;虚構化する手記)
「舞姫」論―忘却のメモワール
「鼻」論―鏡の物語
『銀河鉄道の夜』論―未完の草稿とは何か
『ボヴァーリ夫人』論―ベルトーの挿話の変貌をめぐって
『感情教育』論―恋愛の物語と金銭の物語の間
ソシュールと『一般言語学講義』)
第3部 生成論の地平(「未完」のプロブレマチック;エクリチュールの生成の論理)
著者等紹介
松沢和宏[マツザワカズヒロ]
1953年東京に生まれる。1988年パリ第8大学にて新制文学博士号取得。現在、名古屋大学大学院文学研究科教授。フランス国立科学研究センター内近代テクスト草稿研究所フローベール班日本側通信員
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