出版社内容情報
中国と西洋との交渉の場であったばかりでなく、西洋人が管理運営にも携わった
海関制度を軸として、16世紀末から20世紀初にわたる中国の国家構造とその変
遷を解明した力作。西洋側にとっての通商問題が、中国の財政体制と政治構造の文
脈に置き換えられていく過程の叙述は本書の圧巻である。西洋近代モデルに対する
実証的な批判は、ひとり中国のみならず広くアジア研究の活性化をも促すであろう。
目次:
緒論 明末清初より国民政府へ [前篇 清末洋関の起源] 第一章 市舶司から海
関へ-明清易姓と中国対外体制の再編-/第二章 清代西洋貿易の徴税機構-保商
制度を中心として-/補論 広東洋行新考/第三章 清末■海関の展開-広州にお
ける洋関設立-/第四章 江海関と外国人税務司制度の創設/附章1 開港と朝貢
のあいだ-五港開港時代の福州を中心に- [後篇 洋関の展開と中国近代の財政経
済] 第五章 清末における総税務司の成立について/第六章 清末財政と借款の展
開-洋税と中央財政の創出-/第七章 北洋軍閥時期における総税務司の役割-関
税収入と内外債を中心に-/第八章 1920年代中国の内債問題/附章2 『関税紀
実』にみる国民政府の財政経済
内容説明
西洋と中国の邂逅、近代中国の辿った道。中国と西洋との交渉の場であった海関制度を軸として、16から20世紀にわたる中国の国家構造とその変遷を、西洋近代モデルによる枠組を批判しつつ実証的に解明。
目次
緒論 明末清初より国民政府へ
前篇 清末洋関の起源(市舶司から海関へ―明清易姓と中国対外体制の再編;清代西洋貿易の徴税機構―保商制度を中心として;清末粤海関の展開―広州における洋関設立;江海関と外国人税務司制度の創設 ほか)
後篇 洋関の展開と中国近代の財政経済(清末における総税務司の成立について;清末財政と借款の展開―洋税と中央財政の創出;北洋軍閥時期における総税務司の役割―関税収入と内外債を中心に;1920年代中国の内債問題 ほか)