出版社内容情報
彼は「思想を感覚的に把握する」ことができた、というTrGリオットの再
評価以来、ジョン・ダンの名は、イギリス文学の中に揺るぎない位置を占めて
いる。本書は、「魂の修辞」を駆使したこの「形而上詩人」の全詩業を、機敏
な日本語で現代に甦らせた訳者多年の労作である。
目次:
唄とソネット/エピグラム/エレジー/婚礼歌/諷刺詩/書簡詩/記念日の歌/
挽歌と葬送歌/魂の遍歴/宗教詩/解説/ジョン・ダン書誌
内容説明
恋愛詩から宗教詩まで、T.S.エリオットによって「思想を感覚的に把握する」と讃えられた希有な詩人の全詩業。
目次
蚤
おはよう
唄
女の節操
大仕事
日の出
無差別
愛の高利
聖列加入
三重の馬鹿
恋人の無尽蔵
唄
形見
熱病
空気と天使
夜明け〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
10
自負心(conceit)は詩人に奇想(conceit)を与え、詩を無関係な言葉が出会う実験場にする。社交界の諷刺に始まる創作は、血を吸う蚤を男女の性愛に、その別れをコンパスに、世の荒廃を解剖された死体に出会わせる。「此の世は立派に死んだ、その解剖を通して」(「死者とその解剖を讃えるために」)。同時代人シェイクスピアを上回るその奇想は、韻律を壊して雑音を孕む会話に詩を変容させる。晩年、詩人が宗教者になると、奇想は、死に自身の分身である自負心を見出して断罪する。「死よ、思い上がるな」(「聖なるソネット10」)2020/03/04
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