出版社内容情報
神経症をめぐって次々に生み出される作品―。何が追求されているのか。神経症
はどのように捉えられてきたのか。フランス近代文学の骨格を形作った神経症の文
学を、当時の医学的言説を参照点に丹念に読み解き、時代において、また作家の想
像力にとって神経症が持った意味を明らかにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ラウリスタ~
13
途中まで、研究に役立つしな、とか重要なテーマだからなと思って読んでいた。終盤のプルーストあたりで気づいた。「あれ?、ここで書かれている神経症者ってまんま自分じゃねえか」。ちょっとばかし困ったことに、神経症者の典型的な症例ってのが、ここ一二年で自分の身に降り掛かってきたようだ。フランス文学やってるからそうなったのか、あるいは、現代日本においてフランス文学をやる奴なんて多かれ少なかれそういった資質があったのか。芸術を生むから神経症を悲観しなくともよいですよ、っていうプルーストに出てくる藪医者を信じよう。2013/10/21
-
- 和書
- 情報公開