出版社内容情報
「青年を制するものは世界を制する」・・教養と「フォルク」のあり方を真摯
に問い、ナチス「革命」の能動的な担い手と化してゆく若き知的エリートとそ
の思想の生成過程を、ヴァンダーフォーゲルからナチス学生にいたるまで、初
めて総合的・社会史的に解明した労作。
内容説明
ドイツ青年運動と学生はナチズムにどう対応したか。教養と「フォルク」のあり方を真摯に問い、ナチスの能動的な担い手と化してゆく若き知的エリートの思想の生成過程を、初めて総合的に解明した労作。
目次
序章 問題の所在と本書の課題
第1章 ドイツ近代史における教養市民層
第2章 ドイツ青年運動の誕生と発展
第3章 自由学生連合の発足と「大学改革」構想
第4章 「自由ドイツ青年」の内部対立と崩壊
第5章 社会主義学生グループの「大学改革・革命」
第6章 「同盟青年」運動の論理と展開
第7章 ナチス学生同盟の論理と展開
第8章 「同盟青年」運動の「崩壊」と「抵抗」
第9章 ナチス「大学革命」と大学・学生
終章 若き教養市民層とナチズム
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いとう・しんご singoito2
5
「ハイデガーの超-政治」に言及があり借りてきました。19世紀半ばから'45年までの青年運動(ワンダーフォーゲルなど)と学生運動の歴史と離合集散、その背景思想を紹介しています。ハイゼンベルク「部分と全体」に登場するワンダーフォーゲルの大会への言及もP256にあるし、戦間期のドイツ哲学に興味ある人は必読(P320,489にハイデガーへの言及あり)。フォルクVolkと言う語が、人民→民族→人種と意味を横滑りさせていく話などは、日本語の「国体」「働き方」という語を想起させて、興味深く読みました。★★★★☆2022/03/19