出版社内容情報
おのれの「からだ」を唯一無二の拠点に、一人の存在者として、日本の戦後社会の硬直をしなやかに弾劾し続けた、比類なき不退転の定点観測者の足跡をたどる旅、遂に完結! 「からだ」を超える「ことば」を求めて――
「ことばが劈かれる」という自らの体験から「からだ」と不可分な「ことば」のありようを鮮烈に示した著者が、最晩年まで追い求めた「他者」と「自分」の存在の原初に迫る問い、「じか」とは何か。
寄稿=内田樹
目次
1 待つしかない、か。―二十一世紀 身体と哲学(ことばがうまれるとき;待つしかない、か。;他者への呼びかけ;希望なき世紀に)
2 レッスンとは何か(「八月の祝祭」をめぐって―「人間」になる場)
3 愛の侵略(愛の侵略―マザー・テレサとシスターたち;戯曲「愛の侵略」をめぐって)
4 「じか」であること(「やわら」の志―人と人とが対等であるわざ;原点―「じか」であること;情報以前―「聞く」ことの倫理)
著者等紹介
竹内敏晴[タケウチトシハル]
1925年、東京生。演出家。東京大学文学部卒。ぶどうの会、代々木小劇場=演劇集団・変身を経て、72年竹内演劇研究所開設(~86年)。79~84年宮城教育大学教授。その後も「からだとことばのレッスン」に基づく演劇創造、人間関係の気づきと変容、障害者療育に取り組みつづける。2009年9月7日死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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