出版社内容情報
本書は、イタリア各地の文書館・資料館所蔵の一級の原史料を駆使して、イタ
リア・ルネサンスの経済的基盤であったフィレンツェ毛織物工業を、西欧地中
海経済史に長期動態的に位置づける。従来の当該工業史に関する歴史像を書き
変え、欧米学界においても高い評価を受けた実証研究。
内容説明
本書は、イタリア各地の文書館・資料館所蔵の原史料を駆使して、イタリア・ルネサンスの経済的基盤であったフィレンツェ毛織物工業を、西欧地中海経済史に長期動態的に位置づける。従来の当該工業史に関する歴史像を書き変え、欧米学界においても高い評価を受けた実証研究。
目次
第1章 中世後期の関税表や諸税表から見たイタリア毛織物の歴史地理
第2章 14世紀中葉までのフィレンツェ毛織物の価格と市場
第3章 14世紀の西欧経済事情とフィレンツェの工業化
第4章 14世紀後半から15世紀初期までのフィレンツェ毛織物の発展
第5章 15世紀後半における毛織物工業の構造変化
感想・レビュー
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人生ゴルディアス
4
16世紀ころのレヴァント貿易におけるガルボ織なるものを知るために手に取ってみた。元は地名だったようだが、いつしかさほど高級ではない毛織物全般を指すようになったようだ。価格についてかなり詳細に載っているので、この時代の物価表としてとても有用かもしれない。しかし、14世紀からしこたまイギリス羊毛を輸入しているのに、16世紀後半の食糧危機の時にアムステルダムから小麦を輸入する際、当地の船乗りはほとんどイタリアに赴いたことがなかった、みたいな記述があったので、ちょっと場所が違うだけで全然違うんだなと思った。2017/08/15