出版社内容情報
『日本浪曼派批判序説』『近代日本政治思想の諸相』等々、戦争体験をバネに、
個性的文体と脱領域的知性をもって昭和超国家主義の核心にあるナショナリズ
ムの内在的理解とその超克への道を切り拓いた著者の単行本・著作集未収録の
入手困難な論考集成。ナショナリズム再考の必読文献。
内容説明
『日本浪曼派批判序説』『近代日本政治思想の諸相』等々、戦争体験をバネに、個性的文体と脱領域的知性をもって昭和超国家主義の核心にあるナショナリズムの内在的理解とその超克への道を切り拓いた著者の単行本・著作集未収録の入手困難な論考集成。ナショナリズム再考の必読文献。
目次
1 昭和超国家主義の諸相
2 昭和維新の論理と心理
3 国防国家の理念
4 日本ファシズムの思想的特質
5 日本ファシズムの推進力
6 昭和維新とファッショ的統合の思想
7 大川周明
8 昭和思想
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nbhd
17
解説で引用されている橋川文三の次の言葉が胸を打った、これがこの本のすべて。「私はあの凄まじい超国家主義時代の経験をたんなる錯誤としてではなく、また特殊日本的な迷妄としてではなく、まさしくある一般的な人間の事実としてとらえなおすことによって、かえって明朗にこれに対決する思想形成が可能であるという風に考えた。/一般にそれらを理解を絶した異常現象として切捨てるやり方が、戦前のある思想的な転換期において、いかに無力であったかということは、私の戦争体験に刻みこまれた根本的認識の一つである。」2016/10/20
politics
4
丸山とは違った角度から昭和ナショナリズムを追求した橋川の論文集。朝日平吾などのテロリストらの心理が明治期のテロリストとは異なる点、昭和ナショナリズムの担い手となる皇道派・統制派の整理など、気になる論点が散りばめられており興味深いが、体系化されなかったことが惜しい。2021/04/10
てれまこし
2
元ロマン主義者の自省という性格が強い橋川の思想には、政治学に収まり切れないものがあるが、宗教と政治の関係が再び衆目を集める今日においては、丸山真男のような近代主義者のナショナリズム論より深いところに達してる。近代政治理論は宗教を個人の領域に押しこめることにより中和したのだが、日本の「超国家主義者」たちは信仰の人たちであって、国家の向うにある秩序に沿って世界を作り変えようとした。つまり、それは国家権力をめぐる闘争であると同時に、国家を超えたところにある秩序を求める闘争でもあった。ISも新しい現象じゃない。2018/06/22
tkm66
1
結局、後年全集を買う羽目になる。2006/05/18
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