出版社内容情報
2018年にノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑氏やジェームズ・アリソン氏をはじめとする、がん免疫療法の基礎・臨床研究のパイオニア25人をジャーナリストが取材。それぞれの研究内容に加え、重要な発見に至るまでの苦難と成功を具体的に描く。研究者直筆のイラスト、生い立ちや人となりもあわせて紹介し、難解ながん免疫療法の全体像を最後まで興味深く知ることができる。
河本 宏[カワモト ヒロシ]
監修
三枝 小夜子[ミエダ サヨコ]
翻訳
内容説明
本書は研究者へのインタビューのみにもとづいて執筆された、がん免疫学の開拓者たちの物語だ。失敗と復活、救済と成功―発見と、直観と、狡智の物語だ。地球上で最も才能に恵まれた医学者たちの人生と思考を垣間見るものだ。がん免疫療法を実現するために人生を捧げてきた、生きて、息をして、考える、魅力的で、傲慢で、愉快で、頑固で、執念深く、喜びにあふれ、飲みすぎの、あるいは一滴も飲まない、一流の人間の物語だ。(「序論」より)
目次
セクション 1 CTLA-4(第1章 ジェームズ・アリソン―CTLA-4を発見:免疫チェックポイント阻害薬の開拓者;第2章 ジェド・ウォルコック―イピリムマブ臨床試験を先導;第3章 アクセル・フース―がん免疫療法における治療効果判定法の見直しを提唱)
セクション 2 PD-1(第4章 本庶佑―PD-1を発見;第5章 ゴードン・フリーマン―PD-1のリガンド,PD-L1を発見;第6章 スザンヌ・L・トパリアン―抗PD-1抗体の臨床試験を先導)
セクション 3 免疫監視機構(第7章 ロバート・シュライバー―免疫監視機構の存在を証明)
セクション 4 ワクチン(第8章 ドルー・パードル―GVAX:がん細胞を用いたがんのワクチンを開発;第9章 エリザベス・ジャフィー―GVAXで膵臓がんに挑戦)
セクション 5 基礎的な発見,概念実証(第10章 ラルフ・スタインマン―樹状細胞を発見;第11章 タック・マック―T細胞受容体を発見;第12章 フィリップ・グリーンバーグ―養子免疫療法の開発;第13章 スティーヴン・ローゼンバーグ―養子免疫療法の元祖)
セクション 6 キメラ抗原受容体発現T細胞(CAR-T細胞)(第14章 ジーリグ・エシュハー―CAR-T細胞の創始者;第15章 パトリック・フー―CAR-T療法の固形がんへの応用に挑戦;第16章 カール・ジューン―CAR-T療法で白血病を治療;第17章 ミシェル・サデライン―臨床応用に向けたCAR-T療法の技術開発)
セクション 7 ビジネス・アット・ザ・ベンチ:1個のタンパク質,1個のウイルス(第18章 パトリック・バウエル―二重特異性抗体の開発;第19章 ロバート・コフィン―腫瘍溶解性ウイルス療法の開発)
セクション 8 制御性T細胞(Treg)(第20章 坂口志文―制御性T細胞を発見;第21章 ジェフ・ブルーストン―制御性T細胞を用いた細胞療法を開発)
セクション 9 細胞とシグナル:良くも悪くも(第22章 デヴィッド・マン―IDOの免疫系での作用を解明;第23章 ドミトリー・ガブリロヴィッチ―骨髄由来抑制細胞(MDSC)の発見
第24章 トム・ガジュースキー―インターフェロン遺伝子刺激因子(STING)をがん免疫療法に応用
第25章 ロランス・ジトヴォーゲル―マイクロバイオーム(腸内細菌叢)を用いてがん免疫療法を強化)
著者等紹介
キャナヴァン,ニール[キャナヴァン,ニール] [Canavan,Neil]
科学・医学分野を20年以上にわたり取材してきた経歴をもつベテランジャーナリスト。この5年間は特に抗がん剤開発に関するテーマに強い関心を寄せている
河本宏[カワモトヒロシ]
京都大学ウイルス・再生医科学研究所副所長、再生組織構築研究部門再生免疫学分野教授。血液内科医から免疫学研究者に転向。2012年より現職。造血過程の研究と再生T細胞を用いたがん免疫細胞療法の開発研究を進めている
三枝小夜子[ミエダサヨコ]
東京大学理学部物理学科卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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