出版社内容情報
人気植物学者が贈るサイエンスミステリー。
生命の本質に迫る一週間には、驚きの結末が……。
極上の読書体験間違いなしの一冊。
内容説明
生命とは?生きるとは?驚きの「結末」が待っている極上のサイエンスミステリー。
目次
月曜日 どうして植物は動かないのか?
火曜日 植物と動物はどこが違うのか?
水曜日 草って何?
木曜日 木は何本あるのか?
金曜日 木は生きているか?
土曜日 植物は死ぬのか?
日曜日 植物は何からできているのか?
著者等紹介
稲垣栄洋[イナガキヒデヒロ]
農学博士、植物学者。1968年静岡県生まれ。静岡大学大学院教授。岡山大学大学院農学研究科修了後、農林水産省、静岡県農林技術研究所等を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
123
植物学者である稲垣先生の思う壺のように惹き込まれる:他の生物を食べるしかない動物に比べ、光合成によって自らエネルギーを作り出せる植物の方が優れている。千年生きる「樹木」より一年の「草」の方が遥かに進化している(進化のスピードアップ)。植物の細胞は分化全能性があり栄養繁殖が可能だから、三倍体が存在できるなど…。そして最後に、そもそも単細胞生物は不老不死だったのに(細胞分裂)、それが、なぜ老いて死ぬ生物に進化したのかと問題提起する。生物とは、進化とは、そして死とは何かを考えたくなる、とてもいい本だと思う。2023/10/24
みき
61
良書。これは面白いし。学者さんが自分の専門分野外の人に向けて書いた本にハズレはないという原則通りの本。木は生きてえいるのか、植物は死ぬのかなど、あまり考えたことがないであろうことに思いを馳せていく。本書内の大学教授の思考が面白くコーヒーを飲んでは、思想を膨らませていく。「細胞は新しく作られているのに何故老いるのか」などという問いは問われるまで疑問にすら思わなかった。2023/09/19
おせきはん
45
学生からメールでの質問に答える形で、植物、そして生命について論じています。草と木の関係、接ぎ木の仕組みをはじめ、植物に関する興味深い話が盛りだくさんでした。2023/10/07
クリママ
43
1週間が強調されていたので、その間に何か出来事があったのではと思ったが、1日1通ずつ7日間、生徒から来たメールに答える形で構成された植物の話。植物は何故動かないのか、植物と動物の違いは、植物に死はあるのかという問いが、哲学的な問題に発展していく。わかりやすく、読みやすいのはいつもの稲垣先生。でも、私とは何か、生きるていることとは何かというと問いには、簡単に答えを出せない。その中で、樹齢100年以上、人間より長く生きているの木が、その時の人の都合で伐採されるのは納得できなかった。2024/03/23
流石全次郎
34
植物学者は「命を考える1週間」として、届いたメールに対して自問自答して返信する形式で生命に関する解説を行う。エピローグを含めて8つのメールを受信する。ある分野を専門的に掘り下げていくと哲学的な領域に踏み込んでいく事は普通にある事だと思います。それを伝える手段としての構成になっていました。2023/09/16