内容説明
明治14年、嘉納治五郎によって古流柔術をもとに創始された柔道。それは、自由に技を掛け合う乱取を採用した画期的な武道だった。しかし、昭和39年の東京オリンピックで競技に採用されて以来、まずルールありきのスポーツへと変質の一途を辿る。二度目の東京オリンピックを控えた今、様々な問題点を明らかにし、新しい柔道の方向性を示す!
目次
「柔道が面白くない」という現象
「初めにルールありき」ではない宿命
採点競技の呪縛
着衣格闘技の記号論
記号論の衰退と技術の不明瞭化
タックル禁止論争の是非
現代柔道の病巣“組み手争い”
左組み選手の増加による柔道の変質
魔法のような「調子技」の妙味
柔道の奥深き技の数々
柔道家が求めるのは、勝者か強者か?
柔道はどうしたら面白くなるのか?
柔道とユーラシア大陸格闘文化・交流史
著者等紹介
磯部晃人[イソベアキト]
1960年生まれ、新潟県出身。新潟県立新潟高校、青山学院大学文学部史学科卒業。フジテレビ勤務。フジテレビのスポーツ局でK‐1を企画し初代番組担当となり、K‐1やPRIDEの事業プロデューサーを務める。「ゴング格闘技」誌で柔道コラムを長年にわたり連載。柔道三段、少林寺拳法三段。柔道史(主に戦後競技史)の研究をライフワークとするが、柔道との関連から武道・格闘技の動向にも幅広く関心を寄せている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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