出版社内容情報
宮崎県椎葉村。かつて狩猟採集や焼畑を生業とした「秘境」にも、大きな変化が訪れている。国の植林政策が山を変え、養蜂が衰退する一方、シカ肉の商品化に乗りだす。環境破壊と生業変容は、滅びなのか、あるいは新たな種間関係を示す希望なのか? さまざまな種の交渉をミクロに見つめながら、この不安定な世界をたくましく生き抜く知恵と技をつむぎだす。
内容説明
「秘境」…宮崎県椎葉村。かつて狩猟採集や焼畑を生業としたこの土地にも、大きな変化が訪れている。国の植林政策や保護政策が山を変え、養蜂が衰退する一方、シカ肉の商品化に乗りだす。ヒトもまた動植物と新たに出会い、関係を結びなおす今、農山村を見つめる目にも変化が起きている。新たな種の交渉。それが示すのは滅びか?希望か?種の交渉をミクロに見つめ、不安定な世界を生き抜く知恵と技をつむぐ。
目次
第1部 変わりゆく山村、生業、人々と土地の関係性(椎葉村の生活世界;「先祖の田」の生成―限界集落における稲作の動態)
第2部 獣害:野生動物と人々との関わり合いの諸相(「害獣」を仕留め山の神に捧げる―イノシシ・シカの狩猟と有害鳥獣捕獲との関連について;猿害から生成される「サルの祟り」の多層性;大型囲いワナが推葉村に設置されるとき―サル捕獲機具の開発と利用をめぐる考察)
第3部 家畜化―複数種の協働をめぐる諸相(猟犬の「変身」―猟師と猟犬の接触領域に着目して;養蜂をめぐるハイブリッド・コミュニティの生成―知覚を通じた複数種間の交渉に着目して;ニホンミツバチの減少と養蜂の変容)
第4部 シカ肉の商品化―ジビエ事業の拡大とシカ‐人関係の変容(シカ肉のジビエ利用をめぐる考察―宮崎県の山間部におけるシカ肉生産の過程に着目して;考察と結論)
著者等紹介
合原織部[ゴウハラオリベ]
法政大学人間環境学部講師。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了、博士(文化人類学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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