出版社内容情報
浅場に繁茂するアマモの森に身を隠し、ひっそりと生きる世界で一番小さなイカ、ヒメイカ。全長2センチほどというその小ささゆえに認知されることが少なく、ほとんど研究されてこなかった謎多きイカの、密かな恋のセオリーと墨を使った騙しの秘密を解き明かす。憧れと挫折、絶望と救い、情熱とジレンマが交錯する赤裸々な研究記。
内容説明
浅場に繁茂するアマモの森に身を隠し、ひっそりと生きる世界で一番小さなイカ、ヒメイカ。全長2センチほどというその小ささゆえに認知されることが少なく、ほとんど研究されてこなかった謎多きイカの、密かな恋のセオリーと墨を使った騙しの秘術を解き明かす。憧れと挫折、絶望と救い、情熱とジレンマが交錯する赤裸々な研究記。
目次
1章 世界最小のイカ、ヒメイカ(ヒメイカとの出会い;ヒメイカを捕まえろ!;ヒメイカの分布と生活史を探る)
2章 密かに燃えるヒメイカの恋(念願の行動観察;ついばみ行動の謎を追え!;雄選びは交接のあとで)
3章 密かな恋を支える精子のやりとり(異なる二本の交接腕の謎;密かな恋の証拠を掴め!;自然環境でのヒメイカの繁殖生態;恋路を邪魔する捕食者の存在)
4章 イカ墨の不思議(墨を使って餌を捕る?;墨による防御方法)
5章 世界に広がるヒメイカの仲間(見つかりだした新種ヒメイカ;繋がりだしたヒメイカの輪)
著者等紹介
佐藤成祥[サトウノリヨシ]
北海道札幌市出身。1980年生まれ。2010年に北海道大学大学院環境科学院博士課程修了(博士(環境科学))。その後は、日本学術振興会特別研究員(PD)、島根大学特任准教授などを経て、2019年4月より東海大学海洋学部水産学科講師。ヒメイカをきっかけにはじまった頭足類の行動生態研究だが、その興味の矛先は沿岸性から深海性の様々な場所に生息する多様なイカ類に広がり、現在はタコにも熱い視線を送っている。2017年、「ヒメイカの交尾後精子排除によるCryptic Female Choice」で第8回日本動物行動学会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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