出版社内容情報
中国の太湖周辺に存在するもうひとつのゾミア--「網船鬼」と呼ばれ蔑視された歴史をもつ「統治しがたい人びと」。歴史から漏れた漁民たちの生活実態を現地調査によって探りながら、新たな地域社会論の構築を目指す。
内容説明
中国の太湖周辺に存在するもうひとつのゾミア。「網船鬼」と呼ばれ蔑視された歴史をもつ「統治しがたい人びと」。歴史から漏れた漁民たちの生活実態を現地調査によって探りながら、新たな地域社会論の構築を目指す。
目次
太湖流域の「網船鬼」とは何者か?
第1部 明清・民国期の太湖流域と船上生活漁民(「湖寇」「湖匪」「湖賊」―“梁山泊”に集う人びと;湖面の占有、ローカル・コモンズ、オープン・アクセス;統治を試みる近代国民国家)
第2部 湖上民集団「社」「会」と宗教的紐帯(消えないエスニック・グループ―「本地人」「蘇北人」「山東人」;「網船会」に集まる小集団「社」「会」;湖上民の信仰する神霊―劉猛将・楊姓神・上方山大老爺・太君神)
第3部 湖上民集団の「香頭」と“避難・移住の記憶”(太湖流域の「香頭」と「香客」;「香頭」・首長・シャーマン;「香頭」の賛神歌、「非物質文化遺産」、創り出された「伝統」)
「網船鬼」の湖上世界を包摂する国家の統治
著者等紹介
太田出[オオタイズル]
1965年愛知県に生まれる。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科教授、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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