出版社内容情報
1991年、フィリピン・ルソン島のピナトゥボ山が20世紀最大の大噴火を起こし、その山麓奥深くに暮らしてきた先住民アエタ族は甚大な被害を受けた。70年代からアエタの調査を続けた著者はその大噴火に遭遇し、否応なく彼らの苦難に巻き込まれていく。人類学者としてNGOのワーカーとしてアエタと伴走する中で、著者は先住民の強靱な復興力を目の当たりにする。移動焼畑と狩猟採集で培われた柔軟な生業多様性を活かしたアエタは、国や世界をも動かしながら「新しい人間、新しい社会になった」と呼ぶべき創造的復興を遂げたのである。「コミットする人類学」の実践で学士院賞に輝いた著者が、40年にわたって参与したダイナミックな民族誌を多数の貴重な写真で報告する。
内容説明
1991年、フィリピン・ルソン島のピナトゥボ山が20世紀最大の大噴火を起こし、その山麓奥深くに暮らしてきた先住民アエタ族は甚大な被害を受けた。70年代からアエタの調査を続けた著者はその大噴火に遭遇し、否応なく彼らの苦難に巻き込まれていく。人類学者としてNGOのワーカーとしてアエタと伴走する中で、著者は先住民の強靭な復興力を目の当たりにする。移動焼畑と狩猟採集で培われた柔軟な生業多様性を活かしたアエタは、国や世界をも動かしながら「新しい人間・新しい社会になった」と呼ぶべき創造的復興を遂げたのである。「コミットする人類学」の実践で学士院賞に輝いた著者が、45年にわたって参与したダイナミックな民族誌を多数の貴重な写真で報告する。
目次
第1部 先住民社会のレジリエンス(噴火前の暮らし;噴火の衝撃;創造的復興へ;カルメリータの人生行路―コミットメントする人類学者)
第2部 人類学と私たちの生き方の新しい転回/展開(変化と持続―被災からの創造的復興;人類史への示唆―ジェームズ・スコットの仕事を手がかりにして;いま、ここ、の物語から人類の未来へ―「鈍感な凡人」が運良く人類学者となれた意味)
著者等紹介
清水展[シミズヒロム]
京都大学名誉教授、専門は文化人類学、東南アジア研究。1951年、横須賀市生まれ。東京大学助手、九州大学助教授・教授、京都大学教授、関西大学特任教授として奉職する一方、京都大学東南アジア研究所長(2010‐2014)、日本文化人類学会長(2018‐2020)を歴任。『草の根グローバリゼーション』(京都大学学術出版会、2013年、日本文化人類学会賞、日本学士院賞)など、コミットしてゆく人類学、「応答する」人類学の実践を報告した著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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