出版社内容情報
異端思想家たちが教会のカトリシズムの普遍性から個を解放するなかで、近代的な個人主義が政治、経済などに定着していく姿を追う。
内容説明
近代思想の萌芽はオッカムに始まると言ってよい。個を離れて普遍はない。教会のカトリシズムという普遍性から個を解放するなかで、近代的な自由が開花する。本書はデカルト、スピノザらいわゆる異端思想家たちが目指したものが、個としての人間の自由に結実し、やがて政治思想、経済思想へと発展する過程を、独自の史観のもとに描く。
目次
序章 唯名論の現代性
第1章 デカルトにおける精神の自由と合理主義
第2章 スピノザにおける思想の自由
第3章 ルソーにおける自然状態と社会状態
第4章 労働、禁欲、善慈の近代思想史
第5章 アダム・スミスの労働のユートピアとその崩壊
第6章 マルクスによるスミス批判
終章 エンゲルスと未来社会
著者等紹介
大津真作[オオツシンサク]
1945年大阪府に生まれる。甲南大学名誉教授。専門はヨーロッパ社会思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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唯名論の現代性: 言葉と普遍性 カトリックと普遍性 言葉が世界を作った 普遍と個別の矛盾 神は三位一体か? ロスケリヌスの三神論 普遍とは? 普遍の個別化 オッカムの剃刀 オッカムの普遍論 普遍を自由に操る 認識活動の自由 意志と想像力 言葉の力は主体の知性の力 デカルトにおける精神の自由と合理主義 スピノザにおける思想の自由 ルソーにおける自然状態と社会状態 労働、禁欲、慈善の近代思想史 アダム・スミスの労働のユートピアとその崩壊 マルクスによるスミス批判 エンゲルスと未来社会2022/05/19
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