出版社内容情報
暗闇に光る目。食肉目なのに果物好き。地面を闊歩する一方、樹上60mで糞もする。不思議な動物シベットの8年間に及ぶ追跡の実録。
内容説明
不器用で中途半端、だからこそ強い!命ひしめく森を生きる秘技。暗闇の中に光る目。果物を食べては下痢をする。地面を闊歩する一方、樹上60メートルで糞もする。不思議な動物シベット(ジャコウネコ)に魅せられた著者による、8年間に及ぶ追跡の実録。
目次
1章 おもしろそうな動物、シベット(篠山の野山で;目覚めよ、ブタ ほか)
2章 夜の森へ―シベットを追いかけろ(万全を期して調査地に入る;タビンの強者たち ほか)
3章 大きなイチジクの木の下で―共存の秘密に迫る(原点の森、ダナンバレーへ;怒濤の55徹 ほか)
4章 森を育むシベット、シベットを育む森―種子散布者の正体を追う(スーパーヒーロー・イチジク;新たにマリアウの森へ ほか)
5章 中途半端の強み(食性を暴く;改めて共存機構を考える ほか)
著者等紹介
中林雅[ナカバヤシミヤビ]
2015年、京都大学大学院理学研究科博士課程修了(博士(理学))。日本学術振興会特別研究員(PD)などを経て、広島大学大学院先進理工系科学研究科助教。2020年、「半着生イチジクの種子散布機構」に関する研究で第24回日本熱帯生態学会吉良賞奨励賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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榊原 香織
68
なかなか面白い。 熱帯雨林での研究は過酷。蜂やアリに襲われたり、野生動物の唾液が口に入ったり。ボロボロの体力勝負、若い女性研究者が挑戦。 この手のはたいてい面白いが、編集の意見か、ポスドク構文的な。 果物食べると太るって、ドキ(例;ビントロング)2024/02/14
takucyan1103
3
【IG図書館 ★★☆☆】▽シベットと聞いてその姿が浮かぶ方は、あまり多くないだろう。2022/01/16
志村真幸
2
著者は、シベット(ジャコウネコ)の研究者。ボルネオ島 シベットへの愛に満ちており、なおかつユーモアあふれる書きぶりが魅力的。シベットのことはよく知らなかったが、一気にファンになった。 そして動物研究として導かれていく推論や考察も鋭い。森林の生態がイチジクによって支えられ、またその種の散布がどのようにおこなわれているかが、まったく新しい視点から示されている。 動物研究の楽しさと魅力を伝えてくれる一冊だ。 2023/11/25
よしあ
0
研究者の苦労と成果。こうして知識が積み重ねられてゆくのね。 とはいえ、日本にはいないあまり知られていない動物の研究。本書は調査過程の発表、のようで本人の興味もひろがっていくようです。後半は、研究者を目指す人へのエールかな。2024/05/15