出版社内容情報
教訓詩のパロディーとして、巻別で男女のために書かれた『恋の技術』、その続篇『恋の病の治療』、本邦初訳『女の化粧法』の全3篇。
内容説明
ローマ共和政末期に生まれ、紀元前後にかけて活躍した詩人による三作品。「教訓詩」というジャンルのパロディーとして、彼の「恋愛研究」期に属する作品群である。『恋の技術』は第1・2巻が男性のため、第3巻が女性のために書かれ、後年の流謫を招いた原因の一つとされるもの。『恋の病の治療』は前作への批判に答えた続篇。本邦初訳の『女の化粧法』は試作的な小品で、彼の最初の教訓詩。
著者等紹介
木村健治[キムラケンジ]
大阪大学名誉教授。1946年京都府生まれ。1971年京都大学大学院修士課程修了。1975年ミシガン大学大学院修士課程修了。1976年京都大学大学院博士課程単位取得退学。大阪樟蔭女子大学講師、助教授、大阪大学助教授、教授を経て、2010年大阪大学定年退職。2013‐2017年大阪人間科学大学学長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
6
後にエレジーとなる6韻脚と5韻脚を交互に繰り返すエレゲイア詩は、笛の伴奏で歌われたという。著者はこの歌に乗せて誘惑の技法や化粧法、そして恋の病の治療を些細な細部から教授する3部作の恋愛術を作り上げた。音楽を転調するように心を戒める教訓詩をパロディ化する著者は、対位法的に男性に恋の技術を教える一方、その技術に女性が対処する技法を教授する。深層を逆撫でしつつ表層をなぞるその語り口で、女性には多世代の男性との経験を、男性には相手を乗り換えることを奨めたゆえに、著者は姦通を刑罰化したユリア法に触れたとも言われる。2022/06/17
Βουλγαροκτόνος
0
現代につながる部分はかなりある。古代ローマ人も身だしなみとかには結構気を遣っていたんだなあ…2022/10/23