出版社内容情報
「○○社の△△さん」。職業がアイデンティティと密接に結びついている現代人にとって、心の病いによる休職は自己存在を揺るがす重大な出来事だ。休職者の職場復帰を支援するための制度や政策は整備されつつあるが、休職を「失敗」と見なし、以前と同じ状態に戻ることに期待する見方は根強く、当事者の視点での「回復」のありかたは殆ど論じられていない。本書は、臨床心理学の観点から、メンタルヘルス不調による病休体験を、本人の語りから読み解いてゆく。「働くわたし」が「働けないわたし」に変わるとき、人は何を体験するのか。精神医学や職場適応の問題だけに帰してしまうのではなく、個人の「わたし」という自己の観点から、支援の糸口を探る。
内容説明
「○○社の△△さん」。職業がアイデンティティと密接に結びついている現代人にとって、心の病いによる休職は自己存在を揺るがす重大な出来事だ。休職者の職場復帰を支援するための制度や政策は整備されつつあるが、休職を「失敗」と見なし、以前と同じ状態に戻ることに期待する見方は根強く、当事者の視点での「回復」のありかたは殆ど論じられていない。本書は、臨床心理学の観点から、メンタルヘルス不調による病休体験を、本人の語りから読み解いてゆく。「働くわたし」が「働けないわたし」に変わるとき、人は何を体験するのか。精神医学や職場適応の問題だけに帰してしまうのではなく、個人の「わたし」という自己の観点から、支援の糸口を探る。
目次
序章 「働くわたし」への探究
第1章 病休にともなう「わたし」の体験―これまでの研究を概観して
第2章 「働くわたし」という自己の揺らぎ―メンタルヘルス不調の発見から休職まで
第3章 「働かないわたし」から新しい「働くわたし」へ―休職から復職・回復へ
第4章 頻回病休を生きる「わたし」
第5章 語りにならない病休の語りを聴くために―ナラティヴアプローチの新たな可能性
第6章 「語り」を通して見えてくる病休体験の意味―総合考察
終章 「働くわたし」が語るとき
研究ノート1 質的研究は臨床心理学においてどのように語られてきたか
研究ノート2 従来のナラティヴ分析における語りの認識
研究ノート3 語りにおける応答と責任
著者等紹介
野田実希[ノダミキ]
1983年、愛知県に生まれる。2008年同志社大学大学院文学研究科英文学・英語学専攻博士課程(前期課程)修了。5年間の社会人経験を経て、2013年京都大学教育学部に学士入学、2015年同卒業。2020年3月京都大学大学院教育学研究科臨床教育学専攻博士後期課程修了。京都大学博士(教育学)。臨床心理士、公認心理師。現在、京都大学大学院教育学研究科特定助教。専門は臨床心理学、心理療法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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