環太平洋地域の移動と人種―統治から管理へ、遭遇から連帯へ

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環太平洋地域の移動と人種―統治から管理へ、遭遇から連帯へ

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  • サイズ A5判/ページ数 422p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784814002481
  • NDC分類 334.4
  • Cコード C3036

出版社内容情報

ヘイトスピーチ、移民・難民への排外主義の横行……肌の色ではなく目に見えない特徴から排除する「人種化」に、私たちはどう抗うか?

内容説明

移民・難民への排外主義の横行…。肌の色ではない、目に見えない特徴から排除する「人種化」に、私たちはどう抗い、希望を見出すか?

目次

1 拡大する帝国・国民国家(遭遇としての植民地主義―北海道開拓における人種化と労働力の問題をめぐって;植民地統治と「カテゴリー」―植民地期シンガポールでの治安秩序維持を事例として)
2 マイノリティたちの遭遇・共感・連帯(アメリカに渡った被差別部落民―太平洋を巡る「人種化」と「つながり」の歴史経験;排日から排墨へ―一九二〇年代カリフォルニア州における人種化経験の連鎖)
3 政治実践としての記憶と表象(博物館におけるマイノリティ表象の可能性―差別と人権の政治学;日系アメリカ人の原爆批評―戦争の記憶と一九九五年のエノラ・ゲイ展;一九九二年ロスアンジェルス蜂起をめぐる表象の政治―『薄明かり―ロスアンジェルス、1992』と記憶の重層性)
4 グローバル化時代の管理と抵抗(巡礼する人種主義のためのノート;ヴァーチャル化する「人種」―現代インドにおけるデータガバナンスと人種化;「ほどく」「つなぐ」が生み出すマイナー・トランスナショナリズム―井上葉子とジーン・シンの作品と語りから)

著者等紹介

田辺明生[タナベアキオ]
東京大学大学院総合文化研究科教授。東京大学大学院総合文化研究科博士課程中退、博士(学術)。専門は、人類学・南アジア地域研究

竹沢泰子[タケザワヤスコ]
京都大学人文科学研究所教授。ワシントン大学大学院地域研究研究科博士課程修了、博士(文化人類学)。専門は、人類学・アメリカ研究

成田龍一[ナリタリュウイチ]
日本女子大学人間社会学部教授。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了、博士(文学)。専門は、歴史学(近現代日本史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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BLACK無糖好き

19
京都大学人文科学研究所を拠点に行われてきた人種研究の成果物。環太平洋を軸として、様々な差異が取り上げられて「人種化」がなされていく様相が浮かび上がる。注目したのは日系アメリカ人の原爆批評に関する内野論文。戦後合衆国に帰還した日系アメリカ人ヒバクシャは、自身の経験について日系人コミュニティ内部からも沈黙を強いられる。それがスミソニアン博物館でのエノラ・ゲイの展示から原爆に対する批判が日系人コミュニティから湧き出る。この過程について、日本の戦争責任まで射程を広げ奥深い論考がなされている。2024/06/03

awe

1
日本の社会科学における人種研究の権威竹沢グループの最新作。『人種概念の普遍性を問う』『人種神話を解体する』から一貫して論考を通底する、人種に関する社会科学的研究が欧米中心であることへの問題意識が今回も強く感じられた。一般に人種主義は、欧米列強が植民地拡大を進める際にそれを正当化する概念として登場したと考えられがちで、それは正しくはあるのだが、日本をはじめとする非西欧諸国の人種主義について考えるとき、それだけでは説明できないということを筆者らは述べる。つまり、日本で考えれば、欧米発の人種秩序が日本に明治以降2020/09/25

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