出版社内容情報
王朝時代人々の間で交わされた借金証文を読み解き、歴史の中に埋もれがちな庶民の生きた姿から従来と異なる近世ビルマ像を描き出す。
内容説明
18‐19世紀のビルマ王朝社会、人々の間で取り交わされた様々な契約証文。テッガイッと呼ばれるこれらの証文、特に借金証文は、当時の社会経済状況を示す貴重な資料であると同時に、歴史の中に埋もれがちな庶民の具体的姿や生きる知恵を生き生きと映し出す。“絶対的君主”対“無権利の民”の二層社会を前提としてきた従来の歴史観を覆す、新しいビルマ近世像。
目次
テッガイッから見えてくる近世ビルマ社会
第1部 借金証文とその背景(借金証文の背景―中央平野部の風土と社会経済変動;ビルマ貨幣史の中のコンバウン時代―貨幣私鋳の伝統と改革の試み)
第2部 借金担保としての人(18世紀末~19世紀の人身抵当証文―債務奴隷契約;サリン地方の人身抵当証文)
第3部 借金担保としての土地(借金証文と農地の流動化―ビャンヂャ村の事例;農地抵当証文と農地の流動)
第4部 ビルマ近世はどのような社会であったか(契約社会としてのビルマ近世社会―借金証文の実効性を支える社会システム;質入れ地をめぐる紛争の調停―地方社会における紛争解決メカニズム)
歩いて作った村の境界―19世紀中部ビルマにおける村落境界紛争とその調停
著者等紹介
斎藤照子[サイトウテルコ]
1944年生まれ。津田塾大学国際関係学科卒、東京大学経済学部卒業後、アジア経済研究所調査研究部勤務、東京外国語大学東南アジア課程、講師~教授を経て、同大学名誉教授。専攻はビルマ社会経済史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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