出版社内容情報
そもそも哲学って何?その始まりから平明なことばで説き起こし、終焉を主張されるにいたってなお、哲学が果たすべき役割について語る
内容説明
哲学は私たちの人生に深くかかわる問題を扱い、大学のなかだけで論じられるべきものではない。古代ギリシアに誕生した哲学は多様な意味を担っていた。近世になってデカルトは哲学を一本の木に喩え、その果実は日々の生活にこの上もなく役立つものと考えたが、近代科学の発展とともに、幹の物理学や枝の医学をはじめ、もろもろの学問が次第に“哲学の木”から独立していった。何が残るのか?現代における哲学の尽きない価値を明らかにする。
目次
第1話 哲学とは何か―はじめの始まり
ちょっと長い間奏 日本語で「哲学」
第2話 哲学の旅立ち
第3話 ソクラテスの罪?
第4話 伝統の始まり
第5話 作られた哲学史
第6話 哲学の終焉
第7話 これからの哲学―読むこと、対話すること、生きること
第8話 哲学とは何か―終わりの始まり
著者等紹介
朴一功[パクイルゴン]
大谷大学文学部教授。1953年京都市生まれ。京都大学文学部哲学科卒、同大学院博士課程学修退学、博士(文学)。ケンブリッジ大学古典学部客員研究員、甲南女子大学人間科学部教授を経て、2005年より現職。専門は古代ギリシア哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tamnavulin_1968
0
“哲学とは何か?”という問いに対する答えの一端(?)を見たと感じた。問うことだけに偏ることなく答えを模索する姿勢に共感を覚えた。古代ギリシャでの哲学の起こりに重点を置いていて、哲学に対する認識や変化をわかり易く解説している。辞書的な意味を求めてはいない、と言語化されることで当然過ぎて意識できていなかったことに気付かされた。知識の体系(蓄積)とは異なる、という説明にも納得。第一原理の追求は、現代では複雑系や創発などもあり見直しが必要かも…。2024/11/20
あいうえお
0
哲学ということばの起源とソクラテス・プラトン・アリストテレスの哲学に対する考えを説明している。彼らは徳/魂・イデア・(徳/魂をも包含する)万物と微妙に異なった哲学観を抱いているが、根底にあるのは「第一原理」の探求。結論は凡庸。 全体的に丁寧な記述であり、おススメである。 2019/05/07
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