西洋古典叢書 モラリア〈１２〉

プルタルコス【著】/三浦 要/中村 健/和田 利博【訳】

京都大学学術出版会（2018/03発売）

• サイズ B6判／ページ数 370p／高さ 20cm
• 商品コード 9784814000982
• NDC分類 131.8
• Cコード C1310

出版社内容情報

いわゆる『倫理論集』の一部をなす本分冊には、月面に人の顔が現れるという事象、冷たさの原理性、水と火の有益性などをめぐり、きわめてさまざま学説が紹介・検討される自然学的著作３篇に加え、動物は理性や徳性を持つのかという問題、人間に対する動物の優位性、肉食の是非などが、いずれも反ストア派的傾向を基調に論じられる動物学的著作３篇を収める。（全14冊）

月面に見える顔について　　三浦　要 訳
冷の原理について　　三浦　要 訳
水と火ではどちらがより有益か　　三浦　要 訳
陸棲動物と水生動物ではどちらがより賢いか　　中村　健 訳
もの言えぬ動物が理性を用いることについて　　和田利博 訳
肉食について　　和田利博 訳
　第 一 部
　第 二 部

補　　註
解　　説

プルタルコス［プルタルコス］
著・文・その他

三浦 要［ミウラ カナメ］
翻訳

中村 健［ナカムラ タケシ］
翻訳

和田 利博［ワダ トシヒロ］
翻訳

内容説明

いわゆる「倫理論集」の一部をなす本分冊には、月面に人の顔が現われるという事象、冷たさの原理性、水と火の有益性などをめぐり、きわめてさまざま学説が紹介・検討される自然学的著作３篇に加え、動物は理性や徳性を持つのかという問題、人間に対する動物の優位性、肉食の是非などが、いずれも反ストア派的な傾向を基調に論じられる動物学的著作３篇を収録する。

目次

月面に見える顔について
冷の原理について
水と火ではどちらがより有益か
陸棲動物と水生動物ではどちらがより賢いか
もの言えぬ動物が理性を用いることについて
肉食について

著者等紹介

三浦要［ミウラカナメ］
金沢大学教授。１９５８年山口県生まれ。１９９０年京都大学大学院文学研究科博士課程研究指導認定退学。２００５年京都大学博士（文学）。２００９年十文字学園女子大学助教授、金沢大学助教授、准教授を経て現職

中村健［ナカムラタケシ］
大阪体育大学専任講師。１９７４年岐阜県生まれ。２００５年京都大学大学院文学研究科博士課程研究指導認定退学。２００９年京都大学博士（文学）。２０１１年大阪体育大学非常勤講師を経て現職

和田利博［ワダトシヒロ］
関西大学非常勤講師。１９７１年京都府生まれ。２００２年京都大学大学院文学研究科博士課程研究指導認定退学。２００６年京都大学博士（文学）（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[roughfractus02]

イデア論と経験派医学が融合によって自然(φύσις)に則る態度を貫く著者は、人間と動物の自然=本性(φύσις)が同等であるという。ローマのラテン語世界に触れつつギリシア語で生活した著者は、ラテン語の指示代名詞quod(英語のit)でモノとして指示される動物に理や徳を見出す(ギリシア語の指示代名詞はαυτό、το、前者は自身、自ら動くという意味)。人間の知覚と解釈に関する問題(月に顔を見、水の温度を価値付けする傾向)を吟味する中で動物の権利に関する議論は、言語でできた人間の世界観を自然に即しつつ見直す。

2019/06/25

[いとう・しんご singoito2]

豚がオデュッセウスの太くと説教する一方、返す刀で現代の動物倫理を先取りしているような「もの言えぬ動物が理性を用いることについて」、また、その延長上で飽食と肉食を咎める「肉食について」は面白かったです。逆に当時の自然哲学の学説を列挙している「月面に見える顔について」はちょっと理解困難で辛かったです。

2024/07/16

[ヨシツネ]

動物倫理に関する古典としても読めるとな

2018/07/02