内容説明
やんばる・奥の果樹園のシークヮーサーには驚くべき多様性が見られる。その背景には、異なる形質の果実に名前をつけ、意図的に維持してきた地域の人々の営みがあった。土地の「コトバ」、人々の「暮らし」、それを取り巻く「生きもの」の強固な連関を軸に、文化と自然が密に交感しながら多様性を育む様を明らかにするとともに、消滅危機に瀕する地域言語の継承問題にも焦点を当てる。
目次
奥・やんばるの「コトバ‐暮らし‐生きもの環」
第1部 生きもの(奥で保存活用される多様なシークヮーサーの知恵;山裾を縁どり暮らしに彩りを添えてきたサンゴ礁;魚毒植物の利用を軸に見た琉球列島の里山の自然;沖縄島奥の動植物方言およびその生物知識を探る)
第2部 暮らし(奥の共同性・自治・ひと―奥研究の未来に向けて;近代沖縄に継承された近世琉球の造林技術―国頭村字奥で見つかった『造林台帳』の分析;地名に見る奥の暮らしの多様性)
第3部 コトバ(琉球方言の言語地理学と動的系統樹―琉球方言研究の現代的意義と可能性;コトバと暮らしのミームを探る―変化する“環”を捕まえる;ウクムニー(奥方言)の活力と危機度について
消滅危機方言における辞典の役割
「ウクムニー」習得のための音声教材試作版の作成)
「コトバ‐暮らし‐生きもの環」の未来―奥・やんばるモデルを共有する
著者等紹介
大西正幸[オオニシマサユキ]
同志社大学文化遺産情報科学研究センター嘱託研究員。専門分野は記述言語学、言語類型論、言語教育、ベンガル語文学
宮城邦昌[ミヤギクニマサ]
シシ垣ネットワーク会員、やんばる学研究会員、沖縄地理学会会員、沖縄考古学会会員、南島地名研究センター会員。元在那覇奥郷友会長(2014年度)。専門分野は気象、地震・津波、奥の猪垣・地名(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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