内容説明
不登校だったクラスメイト・蔵本隼都に突然余命わずかだと告げられた学級委員の山瀬萌々果。一見悩みもなく、友達からも好かれている印象の萌々果。けれど実は、両親からの圧力で家にも居場所がなく、学校でも無理していい子の仮面をかぶり息苦しい毎日を過ごしていた。そのせいか隼都に余命を告げられても「このまま死んでもいい」と思っていた。でも、謎めいた彼からの課題をこなしていくうちに、少しずつ彼女のなかでなにか変わっていき…。もっと彼のことを知りたい、生きたい―そう願うようになっていた。でも無常にも三カ月後のその日が訪れて…。想い悩む少女と秘密を抱えた少年の青春ラブストーリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なみ
20
頼まれたことを断れない山瀬萌々果は、不登校だったクラスメイト、蔵本隼都の面倒を押し付けられる。 神様を名乗り、余命を告げてくる隼都に不信感を抱く萌々果だったが、少しずつ距離を縮めていき──。 王道青春恋愛小説でした! 良い方向に変わっていく萌々果を応援したくなりましたし、何より萌々果の友達がいい子すぎて泣きそうになりました! 幕間の意味もわかるラストの展開も、とても素敵です。 お互いを想い合う2人が起こした奇跡に感動しました。2023/07/27
色素薄い系
6
一番最初の幕間で色々察してしまったけどビターエンドなならずに終わって安心した。神様が最後に記憶と引き換えって言っていたけど対象が萌々果1人だったのは温情だと思う。友人からは隼都と萌々果が築いた関係は消えていなかったから案外と早く元の関係に戻れそうな所も良かったと思う。2023/08/05
ゆ〜た◢◣
5
隼都と日々過ごすことによって変化した萌々果の心が導いたクライマックスの展開!個人的にとても好きなラストでした! とある出来事がキッカケで良い子の仮面をかぶり常に演じている萌々果、そんな彼女の前に現れた○○と名乗る隼都。そんな隼都から与えられた課題をクリアするうちに彼女の仮面は── ○○というワードを見た時、あの作品を思い出しますね。あのキャラ好きですわ!くらげ先生の作品はやっぱり友人キャラが良い子で読んでいて心が温まります。 萌々果と隼都、お互いがお互いを思いやり決断した2人の行動。自分ならどうしたかな?2023/06/28
りょう
3
全くあたしの読むタイプの本じゃなかったけど、こういうのに感動する世代があるのか、というような観察するような気分で読みました。2023/07/27
とってぃー
3
互いに影響を与え合う関係が読んでて本当に心地良い! 謎の少年・隼都と突然余命を告げられた少女・萌々果の物語。幕間をうまく使い、少しずつ明らかになっていく真実に読む手が止まりませんでした。また、青春の楽しい部分と残酷な現実の振り幅でどんどん興味をそそられて没入していきますね。2人の関係と萌々果の本音との向き合い方が進むにつれて100日の重みが増していきましたし、ラスト1日は終わらないでくれーと叫びたくなります。ラストは題名の『優しい奇跡』の名に相応しいとても良い終幕でしたね。幸せになってもらいたいです😭2023/07/10