内容説明
双子の弟を事故で失って以来、自分を責め、心を閉ざしてきた小枝。高校の終業式のあと、大嫌いな街から逃げるように北海道の祖母の家へやってきた。そこで出逢ったのは“氷霰症候群(アイスヘイルシンドローム)”という奇病を患った同い年の俚斗。彼の体温は氷のように冷たく、触れた人を傷つけてしまうのだという。果てしない孤独を抱える彼から、少枝は優しい温もりをもらい、深く傷ついた心は徐々に癒えていく。しかしそんな中、彼の命の期限が迫っていることを知ってしまい―。悲しみの中で出逢ったふたりの、奇跡のような恋物語。
著者等紹介
永良サチ[ナガラサチ]
2016年『キミがいなくなるその日まで』(スターツ出版刊)で作家デビュー。現在は、ケータイ小説サイト「野いちご」にて活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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Peter Rabbit@ポプちゃん大好きです
28
《あらすじ・感想》“あること”によって心を閉ざしてしまった高校生の小枝はある冬休みに北海道にある祖母の家に泊まらせてもらうことになる。そこで出会った美しい彼は氷霰症候群という病を患っていた。自分の体温がものすごく低く、触れると低温火傷をしてしまう。そんな二人のある冬の14日間の物語__。とても面白かった。家で読んで大正解というほど泣けて途中はもう前が見えなくなるほど大泣きしながら読んでいた。とても心に刺さるフレーズが多くて感動的なお話だった。また読み直したい。ぜひ一度読んでみてはどうでしょうか☺️✨2023/09/18
色素薄い系
4
面白かったです。奇跡は起きないけどそれだけに余韻の残る物語でした。お互い好意を口にはしないんだけど「触れたい」という願いは叶ったので最後までとてもキレイな関係で終わったなと思いました。明確に来る終わりにおびえてる様子がなかった俚斗の存在自体がキレイなものだったように思う(内心どうだったのかは描かれていないので不明)。ぎくしゃくしていた母親との関係も改善された小枝が雪だるまから見付けたプレゼントのシーンも良かったと思う。2022/12/21