内容説明
心の中をのぞける眼鏡はいらない―。人に触れると、その人の記憶や過去が見えてしまうという不思議な力に苦悩する20歳の七里。彼女は恋人の裏切りを感知してしまい、ひとり傷心の末、大阪中崎町で「れんげ荘」を営む潤おじさんのもとを、十年ぶりに訪ねる。七里が背負う切なくも不可解な能力、孤独…すべてを知る潤おじさんに、七里は“れんげ荘のごはん”を任せられ、自分の居場所を見出していくが、その陰には想像を越えた哀しくも温かい人情・優しさがあった―。感涙必至の物語。
著者等紹介
本田晴巳[ホンダハルミ]
岡山県生まれ。2012年、マヒルという名義で執筆した小説『ソース』(原題)で「オトナ女子が本当に読みたい小説大賞」の大賞受賞、スターツ出版より単行本刊行(2017年、同社より『君とソースと僕の恋』と改題し文庫化)。2014年、エブリスタ「スマホ小説大賞」エンターテイメント部門賞を受賞。受賞作『メンヘラ刑事』は2015~2017年に、単行本(1、2)と文庫本(1)をディスカヴァー21から、また原案担当コミカライズを講談社より刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はつばあば
58
不思議な力を持つ七里さんのお話なのですが・・仙台というお上品な街と違い、大阪の街は喰う事、生きる事に旺盛なんです。「れんげ荘」に住まう住人たちとそのれんげ荘のれんげちゃんと結婚した叔父の潤。その叔父を頼ってきた七里が、考えるよりも働いて・・体を使って辛さを忘れる・・ことを食道楽の大阪らしい逞しい住人たちから教えられる・・というアットホームな物語でした。 2019/09/11
メルル
27
不思議な力を持つ二十歳の七里。彼女はこの力のせいで自分に否定的な考え方を持っている。彼氏への不信感から今の生活から逃げ出し叔父の営むれんげ荘へ…。魔法で美味しい料理を作るわけでは無い。文章も重く内容もずっと暗い。美味しい料理で明るくなれる雰囲気では無かった。最後の最後でやっとという感じ。こんな力があったら人間不信になったり、不安が強くなるのは仕方がないよ。七里が何を考えているのかイマイチわからなかった。ぼーっとした子なのかな。2018/03/24
カメ吉
24
何かしら事情を抱えた住人たちと七里と潤おじさんのやり取りが前半は苦しかった。中盤からはそれぞれの事情が解ってきて温かくほのぼのとした空気のなかの話へと。ただ少し淡々と進み過ぎて物足りなさもかんじました。後半にはグッとくる箇所もあったけど個性的な住人たちのエピソードが物足りない気がしました。もっとボリュームがあればよかった。でも、アットホームな作品で好きな感じのお話でした。 2018/02/13
Kana
12
どれも美味しそうで食べたくなった。特に望月さんの作るスイーツが食べたい。七里も潤さんも辛いことを乗り越えられて良かった。続きが出たら七里や潤さんのこれからやれんげ荘のみんなとの楽しい生活を読みたい。2018/07/23
まはな
8
(購入)本屋さんでサイン本を見つけてしまいジャケ買いしました。最初から最後まで意味深でともかく主人公がひ弱なのか強いのかわからんフワフワした感じで大丈夫かしらと思っていたんだけど最後の方で回収され、途中の親的なハラハラというかもやもやもなんとか落ちついたという感じ。 まだまだ掘り下げるキャラがいるので今回は伏線を張り始めの回とするならば合点がいきますが、これで終了だとグダグダ前置きが長いだけになるので続編が出れば続けて読み続けるかもしれません。2018/03/15
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