内容説明
父観阿弥との共著とも言える、総論的な『風姿花伝』、能の書き方の秘訣を親切に解き明かした『能作書』、四十代から六十代までの熟慮の成果を集成した『花鏡』。世界に誇る世阿弥の美学のエッセンスが満載。現代語訳・原文・詳しい語注つき。
目次
風姿花伝
能作書
花鏡
著者等紹介
小西甚一[コニシジンイチ]
大正4年~平成19年。昭和15年東京文理科大学卒業。東京教育大学教授を経て、筑波大学副学長、同名誉教授。文化功労者。文学博士。専攻は比較文学、日本漢文学史、日本中世文学。著書『文鏡秘府論考』(日本学士院賞)、『日本文藝史』全5巻(第19回・大佛次郎賞)等多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
98
世阿弥の「風姿花伝」ほか2作(能作書、花鏡)を小西先生の訳と解説でわかりやすくしかも読みやすい本に編纂されたものです。いままで日本の名著や岩波文庫で読んできたものの、有名な箇所はわかるもののそれ以外はあまり理解しようとしませんでした。が、やはり能楽論の第一人者の小西先生のこの本で非常に理解が進んだように感じました。能を再度鑑賞しようという気持ちにさせてくれました。2022/09/20
おせきはん
24
能の歴史、書き方、稽古法、演じ方がまとめられています。能を通じて語られる世阿弥の言葉の奥深さを味わいながら読みました。現状に甘んじることなく常に改善・向上を目指す姿勢などに能以外にも通じるプロの厳しさと矜持を感じました。「初心忘るべからず」は『花鏡』に書かれていた言葉だったのですね。2021/01/13
テイネハイランド
17
マルクス・アウレリウスの「自省録」と並んで家の本棚にあるとかっこいい本を5つまで選べといわれたら、世阿弥の「風姿花伝」もその候補に入るのではないかと個人的には思います。この本は、ジャパネットの高田前社長の自伝「伝えることから始めよう」に取り上げられていて、興味を持って今回読んでみましたが、内容がかなり難しく初読ではただ目を通しただけという感じでした。やはり能そのものを全く知らず、(前シテ、後シテ、ツレ、ワキ)といわれてもまったくピンとこない状態でこの本を読むのは無理がありました。2018/07/17
CCC
11
能に関しては全くの門外漢だがとても面白かった。役者論として、時代背景抜きでも現代に通用するだろう。具体的かつ明解。柔軟さも感じられた。偉い人の来場が早くてスタートが早まった時は会場が落ち着いていないから、観客を舞台に引きつけるために普段より声や動きを大げさにする、といった部分なんかは、合理的だけど想像してみるとどことなくユーモラスな感じも。2018/10/08
ykoro
10
600年前の美学のエッセンスと事業戦略マニュアルとも言える内容。秘すれば花、初心忘るべからず、離見の見、など本質的な内容で奥深い。2014/02/23
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