内容説明
百年前、「武士道」で日本人の精神文化を世界に知らしめた国際人・新渡戸稲造の、世紀を越えて読み継がれてきた実践的人生論。百年後、いまだに日本人に勇気を与えてくれる。
目次
青年の特性
青年の立志
職業の選択
決心の継続
勇気の修養
克己の工夫
名誉に対する心がけ
貯蓄
余が実験せる読書法
逆境にある時の心得〔ほか〕
著者等紹介
新渡戸稲造[ニトベイナゾウ]
1862年盛岡に生まれる。札幌農学校卒業後、アメリカ、ドイツで学ぶ。1894年札幌に遠友夜学校を創設。札幌農学校教授、第一高等学校校長、東京帝大教授、東京女子大初代学長などを歴任。1919~1926年国際連盟の初代事務次長として国際平和に尽くす。1926年貴族院議員となる。1933年カナダのビクトリア市にて死去
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感想・レビュー
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しゃん
34
新渡戸稲造は、『武士道』以来。このあまりにシンプルなタイトルに惹かれて手に取ってみた(明治時代、「修養」という言葉が流行語のごとくなったとあるが、本当だろうか。)。至る処、名言、至言があり、付箋だらけになった。自分が子供の頃に教えられた生き方に通じるところが多々あり、忘れかけていたものを取り戻した気分。河合栄次郎『学生に与う』に近い編まれた方だが、明治時代のこの啓蒙書はよりグッとくる。たしかに、時代の制約を感じるところはあるも、繰り出される直言が気持ちいい。今後も折に触れて、本書に立ち返ることになりそう。2017/12/11
isao_key
12
明治を代表する社会教育者である新渡戸稲造の修養講和をまとめた本書には、青年男女に優れた人格や知性、国際人に必要なリベラルアーツが述べられている。2002年に再販された原著は、1911年(明治44)に出版され昭和9年6月までに、148版を重ねたロングセラーだった。すでに発行から100年を超えた本書だが、未だに読み継がれているのには、時代を超えた普遍的な教えがあるからであり、実際に読んでいても古びた感じはしない。人生の目的は、あること(to be)でなすこと(to do)は、その次だという。まず善き人であれ。2016/06/14
yuzyuz_k
11
なんとか読み終えました。 進み、戻りと苦戦しながら、 ゆっくりと読んでいきました。 この様な古典を読んでると、 行き着く先は、人間中々成長しないなぁと言う思いと、どんなに仕組みや技術が洗練されても、本質の課題は変わってないと言う事です。 書かれている事に頷き、時には疑問に思い、思考を巡らせながら濃密な時間を貰った一冊だと思います。 ゆっくり味わいながら読んで欲しい一冊です。2018/10/31
おせきはん
9
ご自身のご経験も交えながら、逆境や順境のときの心持をはじめとする修養法が多角的に解説されています。ついつい日々の出来事をゼロサムゲームのように捉えてしまうこともありますが、各自の努力、他者との協調でプラスサムゲームになると意識して、物事に向き合おうと強く思いました。2017/07/19
トッシー
5
青年向けに書かれたものですが、まもなく還暦を迎える私にとっても、今までの自分を振り返りこれからの生きる指針を与えてくれる一冊でした。一日一章ずつ読みましたが、特に、決心の継続、克己の工夫、貯蓄、余が実験せる読書法、逆境にある時の心得、黙思、などが印象深く、今すぐ実践しようと思ったことがいろいろありました(が、すぐに忘れてしまう、怠けてしまう超凡人の私ですが…泣)。謙虚さ、冷静さ、品格、善いことを習慣化すること、本当に大切なことを見失わないこと…。いくつになっても、修養―身を修め心を養うこと―に努めねば。2021/01/19