内容説明
活殺自在な宗風の故に臨済将軍とまで称された中国の禅僧、「臨済」一代の言行録。朝比奈宗源による訳註、ついに復刊。
目次
上堂
示衆
勘弁
行録
塔記
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
テツ
11
臨済録。日本語すら覚束ないぼくが原文を読むなど不可能なので、こうして別訳(別解釈)をたくさん読める機会がありがたい。人は変わらない。悟りに限らないありとあらゆる全て、探し求めるモノもコトも外部にはない。自分の外側などという空虚な場所をどれだけ彷徨い、どれだけ深く探し求めようと時間の無駄だ。でもただ単純に何も考えずに居直ればいいという訳でもなく。そのあたりの「感じ」を味わえ。正に不立文字。文字でも言葉でも伝わらない、全て。2023/03/24
angelooo7
2
禅問答と言うだけあって、後半「勘弁」以降のところは、私には、何が何だが分からない。しかし、これは訳者の力量が大きいのだろうが「痛快」そんな感じの本だった。2012/08/26
ねこさん
1
既に遷化されている臨済宗円覚寺派の管長、朝比奈宗源老師の訳による臨済録。冒頭にあるとおり、元は岩波文庫だったものを、たちばな出版が復刊している。本書に対し「宗門の伝統的な読みは語法上の誤りがある」と指摘した入矢義高氏の訳が、現在の岩波文庫となっている。どちらがよいかは読む者が決めればよいが、山田無文老師提唱の臨済録の読後にすぐだったため解説の無いことに戸惑いつつも、臨済将軍と呼ばれる人物の声を、下腹掴まれながら聞いているような体温を感じた。集中しないとすぐにおいて行かれるが、かなり面白い訳だと思う。2012/09/30