内容説明
「オトナを騙して生きていく」。信じられない少女の性。著者が見た現代の売春島。
目次
プロローグ 騙される大人
第1章 孤独
第2章 貢ぐ
第3章 不遇
第4章 斡旋
第5章 恨み
第6章 裏切り
第7章 ゲーム
第8章 摘発
エピローグ 騙される大人―その後
著者等紹介
高木瑞穂[タカギミズホ]
ノンフィクションライター。月刊誌編集長、週刊誌記者を経てフリーに。主に社会・風俗の犯罪事件を取材・執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パトラッシュ
38
いつの時代いかなる国にも表と裏があり、表で生きられない者が裏へ逃げ込んで表では認められぬ仕事に就いてきた。表の世界に地獄を感じた女子高生たちが裏で売春に従事しながら生きがいを見い出している姿は、本来なら許されないはずが突き抜けて清廉さすら感じてしまうのはなぜか。彼女たちが「普通でない生き方」に希望を見つけたのに対し、彼女たちが見捨てた「普通」の社会に生きている一般人も「我々は希望に満ちているか」と問われても肯定できないからだ。裏も表も絶望に染まった平成日本の暗闇が、JKたちの白い肉体を通して浮かび上がる。2020/12/02
スダタロー
7
なんだかんだJkリフレやJk散歩という業態は今でも残っているし、秋葉原とか歩いていると制服姿の若い女性とおじさんの不釣り合いなカップルを目にすることはままある。買う側の欲望を根絶やしにすることはできないからこうした業態がなくなることはなく、規制によってむしろどんどんアングラ化するのだろう。むしろ「今度はどんな業態でかいくぐってくるのか!?」ということに興味がうつってしまう。ちなみに秋葉原にラブホやレンタルルームが少ないのは、「中高層階住居専用地区内の建築物の用途制限」によるものです。2019/09/21
ポポロ
6
JKビジネスは私が離日した後に本格化したもので実感がない。本書はノンフィクションとしてそこにリアルさを与えるものだ。規制でこの稼業は廃れるだろう。本に出てくる女の子たちもいつまでもそこで働くことはできない。時代の隙間に生まれた徒花なんだと思う。著者はインタビュワーとして女の子の本音に迫ろうとしているが、彼女たちがそれを語れる/語るべきなのは今ではないのだろうという気がした。私にはこの女の子たちが若さという商品価値を失った後に後悔するべきだという気持ちがあるんだと思うが、その気持ちはどこから来ているんだろう2019/09/06
れどれ
5
書きものの資料として読んだ。女子高生が身を売る「JKビジネス」の実態を、当事者から話を聞き出す格好で紹介している。だいたいが想像の範疇あるいは見聞済の情報だったが、90年代さかんに取り上げられた援交モノのフィクションではほぼなかった推し活との結びつきが生々しく、怖かった。2023/01/07
Erika
5
JKビジネスのルポ。未成年の少女達が、自らの意思で裏ビジネスに足を踏みこんでいく。一人の少女が発した「放っといてほしい」という言葉。彼女達をビジネスから引き離そうと奮闘するNPO団体等は、彼女達にとっては敵なのだ。彼女達にとって、裏ビジネスは自己肯定感を高める手段で有ったり、収入源であったりする。規制が厳しくなればなるほど、少女達は危ない道を渡らざる負えなくなってしまう。 裏ビジネスに関わる彼女達が被害者だと思うのは、社会の勝手な思い込みだったのかもしれない。2022/04/05