内容説明
全国に35万~40万人が存在すると言われる風俗嬢の過半数以上は、30歳を超える熟年女性だ。ほとんどの女性は数万円の生活費に困って自分の最後の手段であるカラダを売っている。貧困最前線、日本の熟女が直面する売春格差のリアル。
目次
第1章 カラダを売れなくなった熟女たち(53歳元風俗嬢の部屋;最低でも13万円は欲しい ほか)
第2章 熟女AV女優の華麗な履歴書(社会のレールに乗り続けた箱入り娘;自分の価値観がどんどん変わっていく ほか)
第3章 なぜ熟女は風俗で働くのか(ベンツに乗ってやってきた金持ちミセス;風俗嬢になった理由はセックスレス ほか)
第4章 売春格差の厳しい現実(46歳バツナシ未婚の美人売春婦;39歳で上京、交際クラブ嬢に ほか)
第5章 異常性欲と貧困の果てに(異常性欲者が集う部屋;彼氏の親の介護をしたかった ほか)
著者等紹介
中村淳彦[ナカムラアツヒコ]
1972年、東京都生まれ。アダルト業界の実態を描いた著書多数。フリーライターとして執筆を続けるかたわら介護事業に進出し、デイサービス事業所の代表を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はつばあば
54
つくづく思う。今の日本これでいいのかねぇ。三世帯同居なんてばかばかしくてやってられるか・・とばかりに核家族化。ウサギ小屋も空き家が目立ち・・マンションばかり建って「外人さんいらっしゃ~い」と。それでも若い人はこの政権を支持する。夫婦で稼いでも足りなくて・・年金生活もままならなくてセックス産業に?。このはつ、色気はあるが売春できるほど勇気も魅力も持ち合わせていないが・・爺様が没して一人になったらそれこそ・・大変なことだ。今から貯金魔に?ムリムリそんなに沢山頂いておりません。平凡に暮らせるだけで幸せです2018/10/13
fwhd8325
24
どうにも、痛い話が多く、やるせなさを感じます。池袋にしても鶯谷にしても行く機会が多い町なので、複雑です。特に池袋北口の話題は、怪談のようで恐いです。きっかけはどうにせよ、ある意味では、女性は逞しいのだと思わざるを得ません。一方でこの道を選択しなくてもいい導きも考えなければいけないんだと思います。2016/12/28
そのじつ
19
本書前半では特殊例が多く語られ、唖然とするところも多かったが、中年期(中には壮年期)までは至極真面目に生きてきた女性が、離婚や夫の借金、住宅ローンの返済、子供の大学進学費用、などを理由に風俗やAV業界に入っていく様が無数に語られていく段には、別世界の物語と思えないものがあった。なるほどなぁ、とため息をついていると、最終章にまたアブノーマル地帯へと突入し、お化け屋敷を見て帰ってきたような気持ちにさせられた。巻末の解説で女性の貧困について加筆されているので、これが社会的問題であり、2016/10/03
Katsuto Yoshinaga
9
エロい気持ちで読み始めたら、またもや現代社会の暗部を見せられ「わっ!」となってしまう。著者の作品は数冊読んでおり、風俗ルポとして読む面も多分にある。数枚の取材対象らしきモノクロ写真もあり、ちょっとにやけたりもする。本書の中の半数は、性を謳歌するためにこの仕事を利用している女性も紹介されており、そこはにやけるところだが、半数は実にイタい。いや、イタいを通り越していたりする。成功体験を持たない取材対象者や、最終章の登場者たちには背筋が寒くなる。でも、この手の本は好きなんだよなぁ。次は、中年童貞を読もっと。2018/05/28
akinbo511
9
30代から70代までの風俗業界の仕事をする女性たちへの取材をまとめた本。同じ風俗で稼ぐ女性でも、家族には普通のパートと言って20年続けている普通の主婦から、生活保護にたどり着くよりもAV女優に先に行き着いた60代の女性まで、境遇は様々でびっくりした。 2016/07/09