内容説明
インドでポークの同僚、ハイデン・マスターソンと出会ったグレイたちは、パンジャブ地方でギリシアの神殿の遺跡を発見する。しかし、デルポイの巫女から現代へと連なる血筋の謎を解明したものの、ロシア側に捕えられてしまう。三人の子供たちと行動を共にする記憶喪失の男性も、カラチャイ湖の放射線に怯えながら、追っ手の猛獣の恐怖と戦っていた。廃炉となったチェルノブイリ原発四号炉を「新しい石棺」で密閉する式典が進むにつれて、ソロコフとマートフによる二つの作戦―世界各国首脳を抹殺する「ウラヌス作戦」と、地球の生態系を壊滅させる「サターン作戦」―の開始が迫る。グレイと記憶喪失の男性は、作戦を阻止することができるのか?デルポイの巫女の預言「世界は燃えてしまう」は、現実のものとなってしまうのか?人類の運命は、グレイでも記憶喪失の男性でもなく、ある一人の少年の手に委ねられることとなる…。
著者等紹介
ロリンズ,ジェームズ[ロリンズ,ジェームズ] [Rollins,James]
1961年、イリノイ州生まれ。ミズーリ大学で獣医学の博士号を取得後、カリフォルニア州サクラメントで獣医を開業。1990年代後半から作家としての活動を始め、2005年の『マギの聖骨』から「シグマフォース・シリーズ」の執筆を開始
桑田健[クワタタケシ]
1965年生まれ。東京外国語大学外国語学部英米語学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
58
私はこのような現実に生じた事件と文明史的なものをうまく組み合わせて読ませてくれる本が大好きです。このシリーズもほとんど読んできたのですが、この本はチェルノブイリということで福島を思い浮かべてしまいました。物語としては結構楽しめたほうだと思います。2014/11/23
トムトム
57
少年と動物が死んだら泣いちゃうじゃんか!いや、死んでいないのか?奇想天外でファンタジックな終わり方でした。作中で引用される自閉症の動物学者、テンプル・グランディンさん。彼女の「動物感覚」という本を読むべし!私は初対面の(人間を含む)動物と接する事が多いのですが、接し方が180度変わるぐらいの衝撃本でした。しかも、実践するとそれが正解だと分かる。あ、違う本の感想書いちゃった( ゚Д゚)2020/02/27
寧々子
36
追手側の鬼畜ぶりには目を覆いたくなりました。 反対にチンパンジーのマータの情愛が心に深く響きました。 怖ろしく感じていたトラの兄弟のほうが哀しむ姿が切なくて、よっぽど心があると感じました。 邦題になっているロマの血脈の繋がりがわかり、方々で展開していたエピソードが集結するまでスリリングな展開が続いたけど、最後の最後になっても不吉な警告が・・・ 気になるから第5弾も今年中には必ず読むぞ♪2017/01/04
クロスボーン
34
今回の敵はロシア。放射能汚染で世界壊滅をたくらむ?グレイとモンクは再会できるでしょうか。世界は救われるでしょうか。2020/11/13
キムチ
33
世界各地でのパターン化した様なシグマ隊員の活躍。こんなに身を挺して世界の破滅を防いでいるのに、平々凡々と知らぬ時間を過ごしていいのか・・なんて思ったり。モンクの復活、しかもサヴァン能力を持つ子供のテレパシーでキャットに繋げる。最後でグレイとの遭遇の場面に安堵。ショートスパンでこまおとしの展開が続くため、ニコライとエレーナの命のともしびすら、何か軽くなってしまう。ロシアがひた隠すチェリヤビンスクの恐怖を織り込んでいても違和感なく練り上げられているストーリーだった。2014/06/30