内容説明
下谷中央署の中年刑事・矢尋文吉は、隅田川神社で大学教授の刺殺死体が発見された際、偶然現場近くに居合わせる。さらに同じ頃、近隣でもう一つの殺人事件が発生。二つの事件を追う内に、千秋という芸者が容疑者として浮かぶ。謎めく千秋の素性を探るため、矢尋は彼女の出身地である富山県城端町へと向かう。そこで、初めて来たはずなのに見覚えがあるという奇妙な感覚を抱き、亡き母に連れられて幼い頃にこの田舎町を訪れた記憶を蘇らせる。容疑者と矢尋、二人の生い立ちの謎が明かされ始めたとき、事件は新たな顔を見せる…。過去と現在が交錯する人間模様の中で、親と子の深い絆を浮かび上がらせる感動の人情派警察ミステリー。
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年、東京生まれ。83年『原島弁護士の処置』でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、作家デビューを果たす。『絆』で日本推理作家協会賞を、『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞。社会派推理小説、時代小説などの分野で幅広く執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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てん・てん
3
長編です。ホント長かった。作中の時間経過もチョ~長期。 全編にわたってくら~いトーンがワタシ的にキツイ。女性タレント千秋が芸者千秋にかぶってきてどうにも感情移入できず。早々に集中力がキレたって感じ。曳かれ者の小唄ってイミを初めて知ったんでまぁいいか。作者のパワーは感じたんで新作出たらまたトライしたい・・。 2013/05/05
松本 あゆみ
0
端唄、小唄、失われた江戸町の風情などがちりばめられていて、いつの時代が舞台なのかしばらくわからずに読んだ。人物相関図もなかなかややこしく、読了に時間がかかった。大学教授と流れ者の料理人の連続殺人事件。ベテラン刑事が、事件と自分の過去を探っていく。本作品、シリーズものの様子。2016/11/29
モンブリラン
0
砂の器のような大作になりそこねた感じ。小杉健治さんの現代ものが好きです。2015/11/15