竹書房文庫
パイの物語〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 271p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784812492086
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

「あんたが神を信じたくなるような話を知っているよ」―1996年春、作家として行き詰まりを感じていた著者は、新作小説の執筆のため南インドを訪れ、ひとりの老人と出会う。老人の名はフランシス・アディルバサミ。彼が話してくれたのは、ここポンディシェリに始まり、たった今逃げ出してきた自分の国、カナダで終わるという不思議な話―パイ・パテル氏の物語だった。帰国した著者は、パイ本人から彼の辿った数奇な運命の全貌を聞く。十数年前、16歳の少年パイが一艘の救命ボートに動物たちと共に残され、太平洋上を227日間さまよった驚くべき漂流譚…それが、この「物語」である。2002年度ブッカー賞受賞作、アカデミー賞監督アン・リーによって映画化。

著者等紹介

マーテル,ヤン[マーテル,ヤン][Martel,Yann]
1963年スペイン生まれ。外交官の家に生まれた彼は、幼少・青年時代をコスタリカ、フランス、アラスカ、カナダで過ごし、大人になってからもイラン、トルコ、インドと世界を転々としている。トレント大学で哲学を学んだのち、植栽、皿洗い、警備員など風変わりな仕事をするかたわら、執筆活動を開始。27歳で作家として生計を立てるようになった。主な著書に小説「Self」、ジャーニー賞受賞作の短編集「The Facts Behind The Helsinki Roccamatios」がある。現在はカナダのモントリオール在住

唐沢則幸[カラサワノリユキ]
1958年生まれ。長野県出身、青山学院大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

98
金原氏がおすすめにあげておられたので。動物園にいる動物たちは果たして幸せなのか? 逃げ出したいのか、若しくは天敵のいない世界でそれなりにのんぴりしているか?の疑問。檻の中にいる動物を見るのが可哀想に見えてしかった。感想は下巻で。 インドにフランス領があったというのは、はつみみだった。2023/07/02

キムチ

38
シチュエーションは大いに異なれど、文体は何かしら星の王子様を思わせる。だから、大好きな展開なので猛烈なスピードで読める。楽しい、実に。宗教、倫理、哲学、その他種々雑多な思考が混在する中で「地球上、人が生きるのは野生での生物の一つとしての存在でしかない」ことを実感し続ける展開。ファンタジーというカテゴリ―だろうけれど、老若男女、多種多様の人種で読み楽しめる内容だと思った。1部では自らの出生にまつわる想いを延々と語る・・退屈と思えなくもないけれど、宗教に関するモノトークとそれへの反論が面白い。2016/05/08

ann

34
全く知らない作家とその作品に出会ってしまった。前半の主人公の生い立ちや複数の宗教との出会いが、その後の物語の伏線になっていくであろう期待で、いつもは遅読の自分がワクワクしながらページをめくった。発狂寸前の過酷な状況下で、人間は哲学と宗教だけで生き延びられるのか否か。既に下巻へ突入。2024/02/16

ドラやき

20
CMで観た映画「ライフオブパイ」の虎と漂流するイメージで読み始めましたが、原作は主人公ピシンの少年期を描いた物語で、上巻では虎との漂流に関するエピソードは殆ど出てきません。上巻で興味深かったのはピシンがヒンドゥー教とキリスト教とイスラム教の3つの宗教を崇拝するエピソード。ピシンの中ではどの宗教も神に対する想いは同じだと受け止めているのに、周囲の者はそれぞれが信じる宗教以外は間違っているとピシンに理解させようとしていました。さて、下巻ではいよいよ虎との漂流がどのようにして行われたのかが読めるので楽しみです。2014/09/26

もっさん

19
映画「ライフ・オブ・パイ」の原作。カナダへの引越しの途中で船が沈み、トラ一頭と少年一人を乗せた救命ボートが太平洋を漂流する話。漂流するまでが意外と長かったが、あの宗教話を入れないことにはこの話は成り立たないよなぁ。映画を観て衝撃のラストを知っているからこそ、じっくり細部まで読んでしまった気がする。「最大の謎は、わずか八メートルの救命ボートに二○○キロのベンガルトラが乗っていることに、どうして二日半も気づかないでいられたのかということだったが、それは力がもどった時にもう一度考えてみることにした。」2014/01/25

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