内容説明
この世に散らばる石ころ同様、怪談にも様々な色と形、手触りがある。地面に目を凝らし、丹念に探してゆけば思わぬ趣をもった個性的な石が見つかるように、怪談も様々な人たちと出会い向き合う中で、想像もしなかった話を拾うことがある。事件のごとき派手な大ネタではなくとも、冴え冴えとした光を放つ石粒や硬く鋭利な石の破片のように、強烈なインパクトと破壊力を持った掌編、味わい深い小話はたくさんあるのだ。今回はそんな魅力溢れる怪の礫を百話聞き集め、丁寧に箱詰めした。短い中に戦慄と衝撃、無限の恐怖と不思議が凝縮されている。「恐怖箱」シリーズ初の百物語、ぜひご堪能いただきたい。
目次
そのとき
大人になれなかった
雨女
夢
お手軽な除霊法
堤防
布団
くずきり
扉の向こう
カベタマゴ〔ほか〕