内容説明
男系でもなく、女系でもなく、日本文化としての天皇は「双系原理」である―縄文以来、一万年という単位で、日本文化と天皇を、根底から捉え直した、壮大なる試み。
目次
はじめに 日本文化としての天皇
1 日本の自然はどういう人間を育てたか?―「流離う男」と「待つ女」
2 「待つ女」がなぜ巫女になったか?―自然の観察から予見へ
3 「ヒメ・ヒコ」はどういう国家をつくったか?―アマテラスの「稲作国家」
4 ミカドがなぜ「恋の歌」をうたうか?―ヒメになったヒコ
むすび 千の「特殊日本文化」を育てよう!
著者等紹介
上田篤[ウエダアツシ]
1930年、大阪生れ。建築学者・建築家。京都大学工学部建築学科卒。京都大学工学部助教授、大阪大学工学部教授等を経て、現在、社叢学会副理事長、京都精華大学名誉教授。建築作品に『万国博お祭り広場』(日本建築学会特別賞)、『西陣の町家』(HOPEすまい文化賞)など。主な著書に『日本人とすまい』(日本エッセイスト・クラブ賞)、『流民の都市とすまい』(毎日出版文化賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Junko Yamamoto
1
ヒメヒコ制が日本文化の底流という点と、稲作と古墳、人口増のつながりも面白い。随筆のような軽さで深い研究に基づいているわけではないが。2017/08/05
インテリ金ちゃん
0
縄文時代の考察は楽しく読めた。天智、天武、持統で天皇制が確立とするなら、1300年の天皇とするべきでは?一万年ならヒメ・ヒコが妥当。2017/04/21
鈴月
0
取材として。買ってどんだけあっためてたのやら。冒頭はまあまあ面白かった。PSYCHO-PASS観てたもんで、シュビラシステムを思い出すというw弱者ゆえにみえてくるものがあるってのは結構好きな発想だった。その感性。特殊ではあるけれども特別ではないというか、そこにいるのは人なのだよな。古典を学んで国史を愛している人間として、皇室に敬意を。今は親和性の高かったこの領域から新しいモノに変容させたい。2014/10/05
富士の鷹
0
天皇制を「神話」ではなく「歴史」で遡れるところまで戻って議論すべきでは?2012/12/13
yu12418
0
書物に出てくるより前の、天皇の起源についての話は、なるほどと思ったが、最後の辺りは天皇ほどんど関係ないのでは?主張も説得力に欠ける気がするし。2020/07/05