• ポイントキャンペーン

竹書房文庫
FKB実話怪談覚書 冥妖鬼

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 222p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784812489703
  • NDC分類 147
  • Cコード C0176

内容説明

独特な怪異の目線で奇妙な世界を紡ぎだす怪人、我妻俊樹による「覚書」シリーズの第4弾。行きつけの居酒屋の女将がある日老婆のように様変わり「両手がりがり」、見知らぬ子供がしつこくねだってくるのは…「一分間」、見たことのないシャツを写メに撮って彼女に送ったら驚愕の返信「蛸のシャツ」、奇妙な話をしてくれる近所の女性が見せてくれた秘密「顔の火」、人の手を踏んだときの感触がして飛びのいたその場所、そこには何があったのか?「草鬼」ほか、超短怪談もあわせて57編を収録。あちこちに散りばめられる怪異の断片、気づけばすぐそばに異界が暗闇を覗かせている。向こうが来るのかこちらが堕ち入るのか…。

目次

おばさん
両手がりがり
住職と髑髏
休憩時間
なっちゃいない
どこにいる妹
パトカー二題
ぐるぐるおじさん

影とアンテナ〔ほか〕

著者等紹介

我妻俊樹[アガツマトシキ]
歌人。怪談作家。2005年、第三回ビーケーワン怪談大賞で大賞受賞。短歌や創作怪談というジャンルで日常と非日常のあわいにある恐怖を作品化する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夢追人009

142
我妻俊樹さんの書く話は、まあ聞き書きという事ではありますが、もう尋常ではなく完全に異世界の出来事でよくもまあこんなに訳のわからない話が世の中にはあるのだなと呆れ返って感心するばかりですね。とにかく著者の書く話は独特な感触でちょっと他にはないですね。『テルさん』町はずれの一軒家に住むテルさんと呼ばれる男性が凄く暑い夏の日に水が枯れた川で遊ぶ子ども達に「うちに来て冷たいものでも飲まないかい」と親切に声を掛ける。テルさんが気前よく次々に冷たい物をふるまう合間に「あたしにはないのかい」という女の声が聞こえて来る。2020/11/07

☆kubo

11
怖いというか、不思議な話が多い。現象だけポンと投げられて、原因が分からない感じ。面白いけど、モヤモヤします。2019/04/25

澤水月

11
今回も面白く一気読み。1ページ物に佳品多い気がした。そのほかも「メロン」や「顔の火」などあまりに訳の判らぬ不条理ものに痺れる。後書きのスタンスからもわかるように、彼岸此岸のあわいがとろけていくような甘美な恐怖。かと思えばあるものが「蛇のようにのびあが」る「林の声」は爆笑したり。極短、短、中、長と入り乱れるので次に何が出るのか判らないのもいい。「3と書いてある」の寂寥が忘れがたい2014/06/30

gu

6
内田百閒『東京日記』の丸ビルが消える話を思い出した。世界が知らないうちに違うものに変わってしまったかのような感覚。幽霊が出たとおぼしき話であっても出来事の因果がところどころはぐらかされる。つながりのわからない断片を手渡されて一瞬思考が止まる。それが楽しい。2016/01/19

紅独歩

6
「心霊的な恐怖でなければ狂気」という時代が、意外と長く続いていたような気がする。それに気付かされたのは、我妻怪談がそのどちらでもないからだろう。不条理……というのが一番近いような気がするが、やはりそれとも違う。その独自の世界を支えているのは、確かな文章力と的確な言葉選びだ。なにしろ「題」がうまい。ネタバレする事も無く、読んだ後「なるほど」と思わせる名人芸。今回たくさん収録されている“一頁怪談”が特に好み。2014/08/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/8107434
  • ご注意事項