内容説明
冬の「超」怖い話を牽引する加藤一が挑む、もうひとつのソロワーク「極」怖い話。実話怪談の先駆者として、実話であること常に意識し見定めてきた著者が、厳しい目線で選び抜いた恐怖の数々を今回もたっぷりと収録した。いつどこで起きた怪異事件かはっきりしているもの、新聞沙汰になるような事件の裏で起きた怪異については実際に新聞記事で確認がとれたものなど、そのリアリティは折り紙つきで、まさに本物というべき凄みに満ちている。その他、家・土地絡みの話、動物に関する奇怪な話などおぞましさは絶品、怪談ジャンキーなら貪り読みたくなること間違いなし!怪と恐怖の祭りをぜひお楽しみあれ…。
目次
前夜災
三ナンバー
居座り
見えますか
聞こえますか
おっさんの素行について
ベッドが三つ
合宿所
タメスケ
嬉
ゴールデンレトリバー
コロ
パカラパカラ
福招き
罪と罰と咎
クリーン
山下邸
後夜災
著者等紹介
加藤一[カトウハジメ]
1967年静岡県生まれ。人気実話怪談シリーズ『「超」怖い話』四代目編著者として、冬版を担当。また新人発掘を目的とした実話怪談コンテスト「超‐1」を企画主宰、そこから生まれた新レーベル『恐怖箱』シリーズの箱詰め職人(編者)としても活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
149
怖い話のランクで超も極もそれ程に差は無く、また怖いだけでなく本書のように時には心を癒やしてくれるワンニャンの話も入っていますね。本書のイラストは男が背後の女から目隠しされた姿が中々に気色悪いですよね。『福招き』霊感が強く猫を愛する明治生まれの祖母セツさんが三十代で大病を患った時に祖父が飼っていたブチ猫に「身代りになってくれ」と頼んだ瞬間に猫が絶叫の果てに絶命し、すぐにセツさんの病状が回復して後百歳近くまで長生きされた話。『クリーン』不動産屋に来た貧乏青年が自ら瑕疵物件を求めて契約しかかるが社長が阻止する。2020/09/13
HANA
44
実話怪談集。なんというか素材を料理せずにそのまま皿に乗せて出されたような印象を受ける。他の作者なら色々手を加えているだろうに、まるっきり手を加えずそのまんま出したみたいな。よく言えば素朴、逆に言えばもう現在では絶滅したような話も多い。死んだ犬が幽霊になって会いに来た話とか小学生時代の怪談本にあったなあと何だか懐かしい気持ちにさせられた。一方で全裸の男が腹筋しながら天に上がっていく話とかおっさんが寝床に入っている話とか、どういう顔して読めばいいんだか。巻末の「山下邸」以外は昔のテイスト漂う一冊でした。2014/08/17
ラルル
21
なんとなく、加藤一さんの文章ってこんなに読みづらかったっけ?と思ってしまったんですが気のせいかな。これより前に読んでいた本(もちろん実話怪談)の文章が読みやすかっただけかも? タイトルは何やらオドロオドロしいものを想像しますが、中身はそんなことありません。犬や猫の話も多く収録されていて好物でした。ラストの家の話は長い割にはガツンと来るものが無くてイマイチだったかな~2014/09/19
りらこ
19
土地や建物が主となる怪談。でもなんだかハートウォーミングなものあってちょっと泣けます。犬の話2つとか。この手の話は因縁がわからずなぜそうなるのか判明しないものも多く、釈然としないけど、全裸のおじさんが腹筋しながら天に登る姿とか全く想像出来なくてこの想像力の無さがこの手の本を続けて読んでいられる私なのかもしれんと思うわけです。タイヤにダボダボお酒と塩でお清めする話は、する方はなんか慣れてる感じが不思議だ。そういう業界のことはわからないけれど、ディーラーさんや不動産屋さんは当たり前に色々あるのかもね。2021/07/26
澤水月
9
動物、不動産、その他。動物と不動産系が良かった。事故(心理的瑕疵)物件については最近色々調べ思う所もあり非常に興味深い。後書きにもあるがシンプルで聞く(読む)方は怪談とももはや思わないかもしれない「怪奇を書くと電子系に不調」、これ本当にどんな怪奇現象よりも怖い恐ろしいものなのだ…自分の経験ではIC録音データが目の前で何もしてないのに消失(旧き良きカセットも併録で助かる)。セレブ系ブツ撮り雑誌のカメラマンは光、露出色んな調整した挙げ句の写真にヘンなもの写り納期間に合わぬ怒り語ってたな(プロはフィルムだった頃2014/05/29