内容説明
1871年、アメリカ南西部。賭けボクシングのリングに登ったコナーは、八百長試合をしなかったために大損した胴元に打ちのめされ、道に放り出される。瀕死のコナーを救ったのは、亡き親友の3人の娘を育てながら農場を経営するオリヴィアだった。鉄道工事のため立ち退きの嫌がらせを受けるオリヴィアは、コナーに収穫の時期まで残ってくれと依頼する。しぶしぶと引き受けたコナーだったが…。人気作家ローラ・リー・ガークの感動のリタ賞受賞作。
著者等紹介
ガーク,ローラ・リー[ガーク,ローラリー][Guhrke,Laura Lee]
カリフォルニア州サンタモニカ出身。アイダホ州のボイシ州立大学卒業後、広告の仕事などに従事する。その後ロマンス小説の執筆を開始し、1994年に処女作を発表。1997年に『楽園に落ちた天使』でリタ賞ベストロングヒストリカル部門を受賞する。そのほかにも数々の賞を受賞し、ベストセラー作家の仲間入りをしている
高橋佳奈子[タカハシカナコ]
東京外国語大学ロシア語学科卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ち~
30
独立戦争で兄を亡くし、間も無く両親も失い1人で農場を守るオリヴィア。親友の3人の娘を引き取り、ギリギリの生活の中、男の働き手を探していた時、重傷を負って倒れていた賭けボクシングの流れ者のボクサー・コナーを見つけ介抱する。篤い信仰心を持つオリヴィアと荒みきったコナー。お互いを隔てる大きな壁を意識しながら、徐々に寄り添っていく。飢饉や革命に、家族も故郷も名誉も全て奪われたコナーの過去が壮絶だった。身も心も傷だらけのコナーをどうやって癒せるのか?鉄道建設の立ち退きの嫌がらせから農場をどうやって守り抜くのか?2020/01/04
じょう
16
いかにもRITA賞受賞作。読み応えのあるお話しでした。2021/12/26
ジャカルタ行きたい
13
ヒロインすごいなー・・・私なら挫折する。神経すり減らされる前に出てってもらうかも。ヒーローは私が今まで読んだ中で、心の闇の深さナンバー1かも。過去が壮絶で、アイルランドの暗闇とアイダホのピーチツリー農園の太陽みたいな明るさの対比が鮮明で、映画を見てるようだった。ただ惜しいなあと思うのは、ヴァーノンがもうちょっと(読者として情が湧くくらい)魅力的だったら、もちょっと話として面白さが増したんじゃないかな~。しかし3人の娘達(*´∀`*)かわいかった!みんなで楽しく豊かにのんびり幸せに暮らして欲しいです。2014/07/25
をり
6
最高だった。血を吐くような過去、迷走、救済、再生 …これらが全て絶妙で、途中何度も泣けてきた。読後は映画を見た後のような満足感だった。名作でした。2014/07/01
zawa
6
アイルランドの反政府組織の元活動家で、過酷で絶望的な体験により愛や家族を受け入れないヒーローを、戦争で豊かな生活を奪われながらも強く生きているヒロインが温かく癒していく。ヒロインの3人の娘たちとヒーローとのエピソードはどの場面も微笑ましくて泣ける。家族愛をしっとりと丁寧に描く素敵なお話でした。2010/07/18