内容説明
売れない俳優、見崎真尋は友人の「便利屋」でアルバイトしながら日々の生計をたてていた。その「便利屋」へ、ある男の恋人のふりをして欲しいという依頼が飛び込んでくる。依頼対象の男、吉峯聡瑛は記憶喪失で、しかも恋人が死んでしまったという事実だけを忘れてしまっていた。吉峯は人気上昇中の小説家で、大きな仕事の締め切りを抱えながらも、しきりに帰って来ない恋人の事を気にしており、仕事も手につかない状態だという。真尋はその恋人と年齢も顔も似ている事から依頼を引き受け、男と同居する事になるのだが、真尋を恋人だと思い込んでいる吉峯から受ける真剣な愛情や情熱に、次第に真尋は仕事以上の感情が芽生えてきて…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
華緯
6
電子。何度目かの再読。このお話、好きなんですよね…。最愛の恋人を喪った作家のために、その恋人のフリをする何でも屋。本編もいいけど、最後の方にちょっと書かれてる二人の出会いのエピが好きなんだよなぁ。…決してほんわかするものでなく、…まぁ、言ってしまえば、ゲイの男に対する受け(この時はノンケ)の思い上がりを攻めが諌めるエピ。攻めが受けに惚れて口説いた関係だけど、だからといって下手に出ない攻めがいい。…でもそれも、誰に何を言われなくても受けが攻めに惚れた本編があってこそだけど。2018/04/30
華緯
6
電子で再読。…なんだけど、同シチュの別の話とごっちゃになってたらしく、思ってたラストと違ってて、なかなか新鮮だった。初っ端から作者さんに引き回されて面白かったです。ラストにちょっとだけ挟まれてた二人の出会いエピもよくて、やっぱり個別に読みたいと思った。2016/06/05
那義乱丸
4
記憶喪失モノ。冒頭で真相とからくりに気づいたんだけど、読了後あらすじを読んで、もしや気づかずに読むお話だったのかと疑惑がw受けの真尋視点でのお話で報われないとわかっていても吉峯に惹かれていく心情や吉峰を欺いている罪の意識に苦しむのがよく伝わってくる。と同時に私が真相を予測してるが故に真尋の目を通して吉峯の苦しく切ない心情が見えてくる。浅見さんの思惑が読者が気づかないまま読み進めてのどんでん返しにあるのなら気づいてしまってごめんなさいだけど、それでも、いつどういう形で明らかになるのかと楽しく読めた。2012/05/19
de sang-froid
1
BL。屋根から落ちて病院で目を覚ました真尋(左)の元に作家・聡瑛が現れるが、真尋には聡瑛が何故いるのか分からない。途中までは面白かったのですが、カラクリが明かされて以降は辻褄合わせのような感じでもう一捻りあると良かったかも。2013/01/01
ちゃー蔵
1
売れない俳優で便利屋をやっている受けが、記憶喪失になった小説家の恋人の振りをする事になり・・と身代わり&記憶喪失モノ。どんでん返しがあったりもするんだけど、いまいち波に乗り切れずにキュンキュン度は低め。2010/12/16
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